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戦略コンサルティング・ファームの面接攻略法
【第11回】 2016年5月18日
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ビクター・チェン

戦略コンサルの面接で有名な
「エアープレイン・テスト」を知っていますか?

コンサルティング業界で用いられる人材評価の方法の1つに、「エアープレイン・テスト」というものがある。これは、インタビュアーが次のような質問を自問しながら、志望者の人柄を判断する手法である。『戦略コンサルティング・ファームの面接攻略法』においても、ポイントとなってくる。

 「長時間のフライトでこの人と席が隣り合わせになって会話をしたら、私は楽しいと思うだろうか」

 エアープレイン・テストで不合格になることは、志望者の対人能力に何らかの問題があり、クライアントとの間でトラブルを起こす可能性があるとインタビュアーが判断したことを意味する。

 実のところ、これは多少オブラートに包んだ言い方であり、エアープレイン・テストの目的をもっと端的な言葉で表現すれば、スタンフォード・ビジネススクールの教授の書いたベストセラーのタイトル、”The No Asshole Rule”(邦訳『あなたの職場のイヤな奴』講談社、2008年)が最もよく当てはまる。

 ご存じのとおり、よいコンサルタント(そしてよい志望者)であるための第1法則は、「イヤな奴」にならないことだ。冗談を言っているのではない。誰でもイヤな奴とは仕事をしたくないし、それはクライアントも同じだ。

 コンサルティング業務を行ううえで、コンサルタントはクライアント企業の社員から外部者として見られることが多い。なかには、コンサルタントのことを信用のおけない、招かれざる外部からの侵入者とまで考える社員もいる。このような手強いクライアント社員は、コンサルタントの失敗を望んでいることさえある。

 そうすれば、コンサルタントとコンサルティング・ファームの面目がつぶれて、自分以外の社員もコンサルタントを信用しなくなり、最終的には社内からコンサルタントを追い出せるからだ。コンサルタントとしては、彼らにそのチャンスを与えてはならない。

 コンサルティング業界の中でも、マッキンゼーのコンサルタントは特に傲慢だと思われがちなようだが、私自身は必ずしもそう思わない(“絶対に”正しくないと言えるほどの根拠を示すのは難しいが)。

 ただ、マッキンゼーのコンサルタントには非常に輝かしい経歴を持った人物が多く、クライアントの信用を得るためにプロジェクトの初期段階でそれらの経歴を披露することがよくあるので、それを聞いてマッキンゼーのコンサルタントは傲慢だと感じる人もいるのだろう。

 このような印象はその後も強く残ってしまうので、私は自分が傲慢だと思われないように意識して努めていた。最初にクライアントの信頼を得た後は、親切な行為で相手の心をつかみ、自分の業績を実際よりも控えめに冗談めかして話すこともあった。

 私がマッキンゼー1年目に携わったあるプロジェクトのマネジャーは、ドイツ支社からニューヨーク支社へ移ってきたドイツ人だった。ドイツ人は一般的に生産性を重んじ、無駄な仕事はしたがらないと聞いていたが、このマネジャーも例外ではなかった。

 ニューヨークに赴任してから数ヵ月も経たないうちに、彼はアメリカの企業文化に順応するのに苦労するようになった。特に、仕事とは直接関係のない世間話が大好きなアメリカ中西部のクライアントとのプロジェクトにおいては、それが顕著だった。

 このマネジャーは、クライアントとの非生産的な会話は無意味だと思っており、世間話には加わらず、自分に必要なデータだけを淡々と要求した。中西部の人間の気質を知っていればわかると思うが、クライアントの中には彼の冷淡な対応に気分を害する人たちもいた。

 そこで私は、マネジャーにこう言って対応を改めるよう促した。「クライアントとの会話にもっと参加してください。今のままだと、クライアントからイヤな奴だと思われてしまいます。

 彼らとの世間話が非生産的なことはわかりますが、アメリカのビジネス、特に中西部の顧客とのビジネスでは、クライアントと友好的な関係を築くうえで世間話も重要な仕事の一部です。彼らから協力を得たければ、もっと世間話に加わらなければいけません」

 3ヵ月後、マネジャーの立ち振る舞いは一変した。クライアントとよく話すようになり、世間話も増えていった。彼はもうクライアントからイヤな奴だと思われず、アメリカのクライアントと以前よりもずっと生産的に仕事をこなせるようになった。

 あなたがコンサルティング・ファームの人たちと接するときにも、同じことが当てはまる。たいていの場合、あなたが最初に接するのは、クライアントとのコンサルティング業務には携わらない、人事部などの採用担当チームの人間だ。戦略コンサルタントがクライアントに接するときと同様に、これらの人たちにも尊敬の念を持って接することが重要である。

 採用チームの担当者は、内定の最終決定権は持っていないが、最初の段階であなたを面接に呼ぶかどうかを決めることはできるからだ。同様に、クライアントのCEOを補佐する組織(訳注:たとえば、経営企画部や社長室など)の人たちと接するときは、特に丁重に接する必要がある。

 これらの人たちに対して失礼な態度を取れば、コンサルティング業務を円滑に進めにくくなる。逆に、親切心と尊敬の念を持って接すれば、彼らは社長補佐という威光の下、コンサルタントからの要望に素早く対応するように社内の人間に指示してくれるようになる。

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ビクター・チェン

元マッキンゼーのコンサルタント。スタンフォード大学を卒業後、8つの戦略コンサルティング・ファームの面接を経て、マッキンゼー、ベイン、モニター、L.E.K.、A.T.カーニー、オリバー・ワイマンの6社からオファーを受け、マッキンゼーに入社。トップ10パーセントに位置づけられる実績を上げ、最年少で昇進、トップ・コンサルタントとして活躍すると同時に、多くの入社希望者を面接するケース・インタビュアーを務めた。現在は独立してInc.500リストに掲載される企業のCEOのアドバイザーを務める一方、コンサルティング会社への入社を目指す人々を支援する会社を経営している。世界100カ国以上の戦略コンサルタント志願者が注目するウェブサイト(www.caseinterview.com)を運営している。
 


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