ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
幸せになる勇気──自己啓発の源流「アドラー」の教え2
【第5回】 2016年6月8日
著者・コラム紹介バックナンバー
古賀史健,岸見一郎 [哲学者]

小林麻耶がみつけた
「ありのままでいる勇気」とは?
小林麻耶×岸見一郎×古賀史健 鼎談【後編】

1
nextpage

『幸せになる勇気』を読んで、自分だけの幸せでなく、相手と一緒に幸せになる大切さに気付いたという小林麻耶さん。鼎談後半では、「どんなにほめられても、表面的なウソだと思っていた」小林さんが、徐々に幸せを得るための真理に近づいていきます。「幸せになる勇気」を実践するには、どうすればいいのか?3人の語りによって、そのヒントが見えてくるはずです。(構成:室谷明津子、写真:田口沙織)

「ただ存在するだけでいい」と
感じることの難しさ

岸見一郎(以下、岸見) 結婚をすると自由が束縛されるから嫌だと言う若い人は多いですが、小林さんはどう思いますか。

小林麻耶(こばやし・まや)
フリーアナウンサー、キャスター。1979年新潟県小千谷市生まれ。青山学院大学文学部英米文学学科卒業後、2003年TBSに入社。「チューボーですよ!」「世界・ふしぎ発見!」「王様のブランチ」など数多くの人気番組で活躍。2009年3月にフリーとなった後も「総力報道!THE NEWS」「がっちりアカデミー」「小林麻耶の本に会いたい」など、ニュース、バラエティとマルチに活躍している。「バイキング」「テレビでロシア語」「誰だって波瀾爆笑」などにも出演。オフィシャルブログ「まや★日記」

小林麻耶(以下、小林) 私も以前はそう思っていました。でも『嫌われる勇気』を読んで、他人の要求を満たすよりも自分の思いを大切にして生きるという考え方にシフトできたので、いまは結婚しても相手に自由を奪われるとは思いません。それでもまだ、『幸せになる勇気』に出てくる、相手が自分のことを「ただ存在するだけでいい」と感じてくれる関係にリアリティをもつことはできません。役に立つとか、何か相手にメリットがないと愛されないのではないかと思ってしまいます。

古賀史健(以下、古賀) 岸見先生は、お父様の介護をしていたときに、「生きているだけでうれしい」と感じたそうですね。

岸見 当時は、とにかく父が息をしているだけでうれしかった。今日一日を一緒に過ごせてありがとうという気持ちでした。父は何もしないでただ生きているだけで、私に貢献していた。同じようにわれわれ自身も、行為ではなく存在によって周囲に貢献していると思いたいのです。そう思えないと、相手への行為の見返りとして、愛を求めるようになってしまいます。

岸見一郎(きしみ・いちろう)
哲学者。1956年京都生まれ、京都在住。京都大学大学院文学研究科博士課程満期退学。専門の哲学(西洋古代哲学、特にプラトン哲学)と並行して、1989年からアドラー心理学を研究。日本アドラー心理学会認定カウンセラー・顧問。世界各国でベストセラーとなり、アドラー心理学の新しい古典となった前作『嫌われる勇気』執筆後は、アドラーが生前そうであったように、世界をより善いところとするため、国内外で多くの“青年”に対して精力的に講演・カウンセリング活動を行う。訳書にアドラーの『人生の意味の心理学』『個人心理学講義』、著書に『アドラー心理学入門』など。『幸せになる勇気』では原案を担当。

小林 家族や友人には「いてくれるだけでいい」と思えるのですが、自分自身もそういう存在だとはなかなか思えない。ここが大きな突破口のようです。

岸見 小林さんは、いままさに過渡期にいるのでしょうね。これまでの自分の価値観に身を置いたまま、新しい価値観のほうに手を伸ばそうとしている。次のステップを上るには、いくつか課題があるようです。アドラーは、人がこれまでと違う生き方を選ぶことは、それまでの自分の死を意味するとまで言っていますから、確かに容易なことではありません。

古賀 人は誰でも「このままでいいんだ」と思いたい。今までの自分を葬り去り、新しい人生を選ぶのはそれほど難しいことだとアドラーは言っています。「愛される人生」から「愛する人生」に目的を転換するのは、頭でわかっても、実際にやろうとするとかなり大変な作業だと、僕も思います。

1
nextpage
スペシャル・インフォメーションPR
ダイヤモンド・オンライン 関連記事
まいにち小鍋

まいにち小鍋

小田真規子 著

定価(税込):本体1,100円+税   発行年月:2016年11月

<内容紹介>
簡単で安くて、ヘルシー。ポッカポカの湯気で、すぐにホッコリ幸せ。おひとりさまから共働きのご夫婦までとっても便利な、毎日食べても全然飽きない1〜2人前の小鍋レシピ集!「定番鍋」にひと手間かけた「激うま鍋」。元気回復やダイエットに効く「薬膳鍋」や、晩酌を楽しみたい方に嬉しい「おつまみ鍋」など盛り沢山!

本を購入する
ダイヤモンド社の電子書籍
(POSデータ調べ、11/20~11/26)


注目のトピックスPR


古賀史健 (こが・ふみたけ)

 

ライター/編集者。1973年福岡生まれ。1998年出版社勤務を経てフリーに。これまでに80冊以上の書籍で構成・ライティングを担当し、数多くのベストセラーを手掛ける。20代の終わりに『アドラー心理学入門』(岸見一郎著)に大きな感銘を受け、10年越しで『嫌われる勇気』の企画を実現。

 

岸見一郎[哲学者]

きしみ・いちろう/1956年京都生まれ。京都大学大学院文学研究科博士課程満期退学。専門の哲学(西洋古代哲学、特にプラトン哲学)と並行して、1989年からアドラー心理学を研究。精力的にアドラー心理学や古代哲学の執筆・講演活動、そして精神科医院などで多くの“青年”のカウンセリングを行う。日本アドラー心理学会認定カウンセラー・顧問。


幸せになる勇気──自己啓発の源流「アドラー」の教え2

ミリオンセラー『嫌われる勇気』の続編『幸せになる勇気』がついに刊行。
3年ぶりに哲人を訪ねた青年が語る衝撃の告白。それは「アドラーを捨てるべきか否か」という苦悩だった。アドラー心理学は机上の空論だとする彼に「あなたはアドラーを誤解している」と哲人は答える。アドラーの言う、誰もが幸せに生きるためにすべき「人生最大の選択」とは何か?
あなたの人生を一変させる哲学問答、再び!

「幸せになる勇気──自己啓発の源流「アドラー」の教え2」

⇒バックナンバー一覧