不便の解消に加え
未来に向けたプランを考える

 リフォーム費用がもったいないと感じるのは、壊れた(壊れそうな)箇所を直すためと考えるからだ。大金をかけても元の状態に戻るだけではつまらない。 「未来の自分と家族のためのリフォームを計画しましょう。50代の人が考えるリフォームであれば、子どもが巣立った後の夫婦二人の新たな生活とそのための快適な住まいを考えるのです」(尾間氏)。バリアフリーはもちろん、不用になった子ども部屋を夫の書斎や妻の趣味の部屋に造り替えるのも楽しそうだ。

 築30年の家は、当時の生活に合わせて建てられていることも認識しておきたい。パソコンも携帯電話も普及しておらず、リビングの中心は奥行きのあるブラウン管テレビだった。今の生活スタイルでは、生活動線にも不便が生じていることだろう。

 暮らし方に合ったリフォームに加えて、夏は涼しく冬は暖かい断熱性を高めることも、できれば早いうちに手を付けておきたい。「リフォームには気力と体力と資金力が必要」と尾間氏は強調する。年を重ねるほど気力が衰え、消極的になりがちで、引っ越しの体力も失われていく。お金の余裕も少なくなってくる。だから「早い(元気な)うちに」10年、20年先を考えたリフォームを済ませておきたいのだ。

見学会・相談会や評判でホームドクターを探す

 残った難問は「誰に頼むか」である。リフォーム現場の見学会や相談会に参加したり、リフォーム経験者に評判の良い業者を教えてもらうことが第一歩。その上で、リフォームに対する姿勢に共感できて、気の合う業者を選ぶことが重要だ。価格に不安があるのなら、正直にその旨を伝えて複数の業者から相見積もりを取ってもいい。そこでの対応も選ぶ際のポイントの一つになるだろう。

 家のホームドクターが見つかれば長く付き合う。以上を実践すれば、リフォームへの不安が解消でき、快適な住まいとしての機能を維持した資産としての価値も高まるのである。