約3年の月日をかけて、伝説の名著3部作・計4冊2000ページ超がたった1冊に凝縮された『最強のコピーライティングバイブル』がついにリリース。発売たちまち重版出来となった。
鉄板の法則を「骨」とし、国内成功24業種100事例で肉づけした著者の横田伊佐男氏。
「Amazonランキング大賞2016上半期【ビジネス・経済】ベスト10」にランクインした『稼ぐ言葉の法則』著者で、「日本一のマーケッター」の神田昌典氏が「今後100年、歴史に刻まれる名著」と断言した『最強のコピーライティングバイブル』から、コピーライティングの極意をこっそり紹介してもらおう。

方言はキャッチコピーになるの?

横田伊佐男(Isao Yokota)CRMダイレクト株式会社代表取締役。企業や受講者の課題点をすばやく摘出し、短時間で確実な成果へと引き上げる「超訳力」を駆使したマーケティング研修講座は、上場企業ホールディングス、政府系金融機関、欧州トップの外資系金融企業、意欲ある中小企業経営者等からの依頼が絶えず、これまでの受講者はのべ2万人を数える。横浜国立大学大学院博士課程前期経営学(MBA)修了。横浜国立大学成長戦略研究センター研究員。 【CRMダイレクトHP】 http://www.crm-direct.com/

 各都市にクライアントがある私は、出張が多い。
 彼の地へ出向くと、必ず広告をチェックする。ご当地キャッチコピーを探すのは旅の楽しみの1つだ。
 あるとき、こんなキャッチコピーに出くわした。

「たっすいがは、いかん!」
 出典:麒麟麦酒株式会社(看板広告)
※実際のクリエイティブ例は、本書にて紹介

「たっすいがは、いかん!」って…?

 まったく、意味がわからない。
 大きな看板にでっかく書いてある。
 語感から想像するに怒っているのか?
 そんな見当しか思い浮かばない。

 一発でわかる人は高知県人だろう。

 そう、これは、高知県でよく見るキャッチコピーだ。
「たっすい」とは、高知の方言である。
「張り合いがない、手応えがない」という意味らしい。
 夕食の宴席時に当地のクライアントに聞いてみると、
「薄い、気が抜けた」という意味も含むとのこと。

 ここで紹介したキャッチコピーの主は、「キリンラガービール」。

 ラガービールと言えば、かつてこんなコピーを打ち出していた(※実際のクリエイティブ例は、本書にて紹介)。

「ガツン!とくる。キリンラガービール」

 高知弁の「たっすいがは、いかん!」とは「薄く、気が抜けたのはダメだ!」と標準語に翻訳できるらしい。

 言い換えれば、「ガツンとくるのが、ビールだろ!」にもなり、本来のキャッチコピーとも符号する。

 高知龍馬空港でディスプレーされているので、高知県を行き来する観光客は、「あれ、なんて意味だろうね」と、看板を振り返って首をかしげている。
 私のように、旅の記念に看板を写真におさめる観光客も多い。