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クラフトビールは生き残れるか

ヤッホーとキリン提携、一度は不成立の裏に何が?

週刊ダイヤモンド編集部 泉 秀一
【第4回】 2016年7月15日
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一度の交渉不成立を経て、5年後に業務・資本提携を結んだヤッホーブルーイングの井手直行社長(左)、キリンビールの磯崎功典社長(当時) Photo:Toyokeizai/Aflo

2014年9月に提携を発表したヤッホーブルーイングとキリン。設備投資に頭を悩ますクラフトビールメーカー他社を横目に、ヤッホーはこの提携で無限に近い製造設備を手に入れた。しかし、実はヤッホーは08年に一度、提携を断られていた。彼らはいかにしてキリンを口説き落としたのか。(「週刊ダイヤモンド」編集部 泉 秀一)

 「うちとの提携をお願いできないでしょうか」

 2013年11月下旬、ヤッホーブルーイングの井手直行社長は、東京・中野のキリンビール本社を訪れていた。

 クラフトビール業界トップのヤッホーは、「よなよなエール」などの主要商品が全国に流通するにつれ、製造設備の限界が見え始めたことから、キリンと生産提携を結ぼうと考えていたのだ。

 実はヤッホーは08年にも、キリンを含む大手ビール4社に製造委託を申し込んだが、全社から断られたという過去を持つ。

 あれから5年、冒頭のようにヤッホーは13年末に再び、キリンを含む3社に提携を再提案したのである。

 すると今度は、なんと全社から色よい返事を得ることができた。一転して選ぶ立場になったヤッホーは、キリンを選んだ。キリンは、自社でもクラフトビールブランドの「スプリングバレーブルワリー」などを持ち、大手の中で最もクラフトビールに注力していたからである。

 「ビールのバラエティを増やし、もっと業界を面白くしたい」――。

 両社の想いは一致し、14年9月、ヤッホーとキリンは提携を発表した。

 ところで、キリンはなぜ一度断ったはずの製造提携を受け入れたのか。08年から13年の5年間に何があったのだろうか。

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近年ブームとなっているクラフトビール。縮小を続けるビール市場の救世主として、大手も参入し始めた。しかし、小規模醸造が信条のクラフトビールが装置産業のビール業界で生き残るのは極めて難しい。クラフトビールは日本で生き残れるのか。かつての地ビールブームが終焉に至った理由や海外ビール市場との違いを分析しながら、日本のビール業界が抱える問題をあぶり出す。

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