どの候補も改革姿勢はイマイチ

 だからこそ、次の都知事には改革に前向きであり、かつ実際に改革を進められる人が選ばれるべきなのですが、3候補の公約を見る限り、まず鳥越氏は少し厳しいと思います。改革の「か」の字もないのですから。

 小池氏は、“世界に開かれた環境・金融先進都市”を掲げ、“世界から企業や高度人材を呼び込む”と言っているのは評価できますが、その一方で“東京版グラミン金融(小口無担保融資)”という訳の分からない政策を掲げており、真面目に改革を進める気があるのかよく分かりません。東京都が新銀行東京で大失敗した経験を忘れたのでしょうか。バングラデシュと東京では経済の発展段階や金融のニーズがかなり違うのではないでしょうか。

 増田氏の公約には、鳥越氏と同様にそもそも改革という言葉が出て来ません。“国の成長戦略と連携して東京都のGDPを大幅アップ”と掲げていますが、国の成長戦略が世界のエコノミストや金融市場からまったく評価されていないことを知らないのでしょうか。また、中小企業支援とか三環状道路ネットワーク完成とか、官僚っぽい陳腐な政策ばかりであり、さすが総務大臣時代も官僚の敷いた路線に乗っかっていたい人らしいなあと感じてしまいます。

 このように、偉そうな言い方で大変恐縮ですが、改革に関しての主要3候補の公約はどれもかなりイマイチです。

“万年野党”が公開質問状を出しました

 しかし、他にも立候補者はたくさんそういるものの、現実的な選択肢がこの3人しかない訳ですから、まあ文句ばかり言っていてもしょうがありません。彼らの公約、さらには今後のメディア上での論戦をじっくりと見ながら、誰が改革に前向きになってくれるかを有権者の側が慎重に判断するしかありません。

 そのヒントとなるよう、田原総一郎氏が会長で私も理事を務めているNPO法人“万年野党”は、3候補に公開質問状を提出しました。回答が来たらそれもすぐに公開しますが、政策専門家による厳しい質問ばかりですので、これに3候補がどのような回答をするかも、各候補の改革に対する姿勢を判断する際の参考にしていただければと思います。

◆万年野党「2016年東京都知事選公開質問状」
http://yatoojp.com/2016-tge-public-questions-12345/