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47原則
【第8回】 2016年7月28日
著者・コラム紹介バックナンバー
服部周作

気分をリセットできる運動は30分程度が効果的!
では朝と夜、どちらに行うのがより理想的か?
【仕事ができる人の原則16】ジョギングなど気分をリセットする時間をもつ

私たちが思っている以上に、仕事上のちょっとした工夫が、成果や評価に大きな差をうんでいた?!世界一のコンサルティングファームで世界7ヵ国のビジネスに携わった著者が、社内外の“できる人”たちの仕事の鉄則をまとめた翻訳書『47原則 世界で一番仕事ができる人たちはどこで差をつけているのか?』(原著タイトル“THE McKINSEY EDGE”)より、今日からでも役立つ成功原則の一部を紹介していきます。
今日のお題は「ジョギングなど気分をリセットする時間をもつ」。忙しく一瞬で過ぎていく毎日のなかで、30分程度体を動かして日々の雑事から自分を引き離すことで、気分がリセットできます。それは、長い目でみた自分の人生にも、目下の仕事にもよい影響を及ぼします。より効果的な運動方法を考えていきます。

「Carpe diem(ラテン語で「今を生きろ」)」

 これは、『いまをいきる』の中で、故ロビン・ウィリアムズが演じる国語教師ジョン・キーティングが、名門高校の生徒たちに告げた言葉です。この映画は、素晴らしい人生の恵みについて描かれた、私のお気に入りのひとつです。しかも、ペースの速い職場環境にいる今の私にとってもぴったりの言葉です。

 時間は貴重です。厳しい環境で仕事をしていると、忙しい日は午後一杯が一瞬のうちに過ぎ去ってしまったかのように感じられるものです。仕事の忙しさにかまけて、人間関係や健康問題や大きな目標など、人生で大切な他の物事をつい後回しにしてしまうことも多いでしょう。

 だからこそ、日頃の雑念や関心事から距離を置くために、心理的な時間をコントロールする方法を手に入れましょう。シンプルで短い、一定の運動を日課として行っていると、実際に費やされる時間に比べて長く緩やかな時間を過ごしているように感じられます。言い換えると、ある種の運動は、外の世界を肌で感じる時間がゆっくり流れているかのように感じさせるのです。

ジョギングは距離よりも時間を決めて、習慣化することが大切だ

 私の場合は、ジョギングが合っています。準備に手間がかからず、ランニングシューズさえあれば実質的にどこでも走れるからです。例えば30分間であっても、時間の経過がゆっくりと感じられます。そういう感覚はめったに得られないため、心を癒してくれる大切な時間です。運動で「ひとりきりの時間」ができると、自分の考えを明確に整理することができ、優先順位を正すことができます。

 昼間は立ち上がって動き回ることが大切だ、と科学者も言っています。それが脳を刺激し、血行と酸素の循環が良くなります。しかし、メリットはそれだけではありません。ジョギングのような、さらに長い運動に取り組むと、脳は自己への内省に集中するデフォルト・モード(外部からの刺激がない場合の脳の状態)――神経科学の分野で自己参照と呼ばれるもの――から休息を取り、外部の環境に波長を合わせます。

内(自分自身)と外(環境)を参照する、2種類の心の状態を移動することにより、人生を捉える新しい枠組みが手に入り、異なる角度から物事を見られるようになります。

 これに似た現象について、全体像を見るために「一歩離れて見る」という表現をマッキンゼーの社員は好んで使います。“頭を働かせる”ことを指しますが、私が強調したいのは「実際に体を動かすと、脳のモードを物理的に切り替えられる」ということです。より優れた、より健全なライフスタイルが手に入るのです。

距離よりも時間を決めて行うのがコツ

 では、どのような運動習慣を身につけたらよいでしょうか?

1 走るのは昼間か夜にする:多くの人は、朝の時間帯にジョギングをします。朝のほうが時間の自由がきき、走ると気分がさっぱりします。ただし、身体のためには朝よりも昼間か夜に走るほうがいいようです。科学的に見て、体温が高く、反射力が優れ、関節が柔軟になっている時間帯なので、怪我をする可能性が低いからです。昼時は季節を通じて一番暖かいので、昼休みに走るのが好きな人もいます。

 しかし、「その日のまとめをする」という目的で、走ることを「ツール」として考えると、夜のほうが断然効果的だと思います。一般的に、夕食時か夕食後に、仕事を休む時間をとりやすいでしょう。そういうときに、突然「ひらめきの瞬間」が訪れることがあります。つまり、仕事から距離を置いたおかげで、雑然としていた物事がまとまってひとつの形をとるのが見えるようになるのです。

 また、朝の時間は難しい仕事にあてる原則1も思い出して下さい。朝ランニングをする場合は30分以内にしましょう。

2 距離でなく時間を決めて走る:人それぞれですが、距離よりも時間を決めて行うほうが効果的です。競争ではないので、距離を達成することよりも、習慣づけることが大切なのです。ばてない程度の適度な運動として、普通は30分程度のランニングが一番効果的です。

3 ゴールを決める:ゴールがあると、定期的に走る励みになります。私は友人とランニングを始めたとき、5ヵ後にハーフマラソンを走ることを目標に決めました。読者のみなさんはおそらく、成長と進歩を貪欲に追求する、優秀な方ばかりだとお見受けします。そこで、とりあえずはハーフマラソンがいい目標になるでしょう。

 その後、上海国際マラソンやボストンマラソンを完走し、記念写真とメダルを額縁に入れて飾る日が来るかもしれません。立派な自慢の種になるでしょう!さらに、オリンピックのトライアスロンを目指す私の友人のように、挑戦する意気込みがあれば、ハーフ・アイアンマンレースなど次のステージを目指しませんか?

4 ひとりで走る:週末なら、走ったり、泳いだり、バスケットボールやテニスやバドミントンをするのに、あなたが何人集めようと構いません。しかし、心のペースを落とすための特別な運動は、ひとりで行うのが効果的です。スポーツジムのランニングマシンもとても便利です。始めるときは必ずマシンのテレビを消し、MP3プレーヤーから流れ出る大音量の音楽も止め、熟考できる環境を整えましょう。自分の目標に到達するために、最大の効果が得られる近道は、正しい手順にあると肝に銘じてください。

 私がマッキンゼーに在籍していた当時、マネージング・ディレクターやシニア・ディレクターの多くも定期的にジョギングをしていました。中には、もっと激しい運動に取り組んでいた人たちもいます。

 重要なポイントは身体を動かすことであり、運動により現在の仕事からあなた自身を切り離すことにあります。素晴らしい人生の魅力に目を向けるよう自分に言い聞かせ、1日1日を最大限に生きましょう。

 そうすれば、必ず仕事にも良い効果が現れるはずです。

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服部周作(Shu Hattori)

経営コンサルタント。カナダ・マギル大学商学部卒業、政府奨学生として国立台湾大学卒業(経営学修士)。マッキンゼー・アンド・カンパニーにて、アジア、北米、ヨーロッパなど7か国における先端技術産業、ハイテク産業、メディア産業分野のプロジェクトに従事し、2015年独立。日中を市場とする求人ポータルサイト運営など、ベンチャー設立経験も複数有する。日本語と英語を母国語とし、中国語も堪能。初の著書として、米国にて2015年11月に『THE McKINSEY EDGE』(McGraw-Hill Education社)を刊行し、本書は本人による邦訳版である。
 


47原則

マニュアルにない小さな工夫が、成果や評価に大きな差を生む!著者が世界一のコンサルティングファームで学んだ究極の仕事術を紹介していきます。著者が世界7か国のビジネスに携わるなかで随時メモしてきた手法の数々を踏まえ、尊敬する社内外のリーダーたち約20人にヒアリングして厳選した成功原則は、話を聞いたリーダーたち自身も「20代のときから知っておきたかった!」と実感するポイントばかり。“仕事ができる”リーダーたちが日ごろさりげなくやっている日々の習慣やマインドセットなど世界最強の「仕事の基本」、今日から実践できます!

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