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ザックJAPANがアルゼンチン戦で好発進。
スタイルだけでなく選手の意識改革も促しそうな予感

相沢光一 [スポーツライター]
【第124回】 2010年10月12日
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 アルベルト・ザッケローニ監督率いる新生日本代表が最高のスタートを切った。ご存じの通り、初采配となる8日のキリンチャレンジカップで強豪アルゼンチンを1-0で破ったのである。

 W杯とは真剣度が異なる親善試合であることやホームの有利さもあった。だが、アルゼンチンにはW杯で2度優勝し、現在もFIFAランク5位というプライドがある。ランク30位の日本は「負けてはいけない相手」。事実、この試合までの対戦成績も6戦6勝と圧倒していた。

 加えてアルゼンチンのセルヒオ・バティスタ監督は「暫定監督」だ。正式な代表監督として認めていいか、手腕をチェックされている段階であり、下手な試合は見せられない。そんな背景もあって、アルゼンチンはエース・メッシをはじめメンバーのほとんどをW杯出場組で組んだ。中継ではアナウンサーが「本気のアルゼンチン」と連呼していたが、本気度が高かったのは確かだ。そのアルゼンチンを破る金星をあげたのだから、これ以上のスタートはない。

 ザッケローニ監督にとっても、この試合は重要な意味を持っていた。どの国でも代表監督就任後の初戦は国民から注視される。次のW杯まで代表チームを任せるに足る手腕を持っているのかがチェックされるわけだ。良い試合を見せれば信頼度は高まり、出来の悪い試合に終われば「この監督で大丈夫か」と疑念の目で見られるようになる。

 本国のイタリアをはじめサッカー強豪国でも出来の悪い試合を見せた場合はバッシングを受けるが、チームを立て直すことに集中すればいいだけのことだ。が、サッカーが根づいていない日本の場合は代表の成績がサッカーの人気にも影響する。

 W杯前の岡田ジャパンがそうだった。見どころなく敗れる試合が連続し、多くの人がサッカーに興味を失いかけた。W杯では予選リーグを突破し、ベスト16という成績を収めたから良かったものの、それがなかったらJリーグをはじめとする日本のサッカーがしぼんでしまいかねなかった。

 ザッケローニ監督自身がそこまで意識しているかは分からないが、日本の代表監督はチーム強化の仕事だけでなく、サッカー人気の浮沈という重荷も背負うことになる。そうした要素もこの一戦にはかかっていた。

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相沢光一 [スポーツライター]

1956年埼玉県生まれ。野球、サッカーはもとより、マスコミに取り上げられる機会が少ないスポーツも地道に取材。そのためオリンピックイヤーは忙しくなる。著書にはアメリカンフットボールのチーム作りを描いた『勝利者』などがある。高校スポーツの競技別・県別ランキングをデータベース化したホームページも運営。 「高校スポーツウルトラランキング」


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