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世界のエリートがやっている 最高の休息法
【第10回】 2016年8月12日
著者・コラム紹介バックナンバー
久賀谷 亮

マルチタスクが脳の集中力を低下させる
「リラックスした覚醒状態」を手に入れるには?

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「どれだけ休んでも疲れが取れないのは、あなたの脳が疲れているからでは?」――イェール大学で学び、アメリカで開業した精神科医・久賀谷亮氏の最新刊『世界のエリートがやっている 最高の休息法』が、発売3日にして大重版が決定する売れ行きを見せている。
最先端の脳科学研究で見えてきた「科学的に正しい脳の休め方」とは?同書の中からストーリー形式で紹介する。

▼ストーリーの「背景」について▼
もっと知りたい方はまずこちらから…
【第1回】「何もしない」でも「脳疲労」は消えずに残る
―あんなに休んだのに…朝からアタマが重い理由
http://diamond.jp/articles/-/96908

【第2回】脳が疲れやすい人に共通する「休み=充電」の思い込み
―「疲れ→回復→疲れ…」のスパイラルから抜け出すには?
http://diamond.jp/articles/-/96965

【前回までのあらすじ】脳科学を志して米イェール大学に渡ったにもかかわらず、伯父が営むベーグル店〈モーメント〉を手伝うことになったナツ(小川夏帆)。彼女のアドバイザーであるヨーダ(グローブ教授/イェール大)は、まずは「食事瞑想」を取り入れることを助言する。さらに話は、その背景にある「自動操縦解除」というアイデアに及ぶ。
久賀谷 亮
Akira Kugaya, PhD/MD
医師(日・米医師免許)/医学博士
イェール大学医学部精神神経学科卒業。アメリカ神経精神医学会認定医。アメリカ精神医学会会員。
日本で臨床および精神薬理の研究に取り組んだあと、イェール大学で先端脳科学研究に携わり、臨床医としてアメリカ屈指の精神医療の現場に8年間にわたり従事する。そのほか、ロングビーチ・メンタルクリニック常勤医、ハーバーUCLA非常勤医など。
2010年、ロサンゼルスにて「TransHope Medical」を開業。同院長として、マインドフルネス認知療法やTMS磁気治療など、最先端の治療を取り入れた診療を展開中。臨床医として日米で25年以上のキャリアを持つ。
脳科学や薬物療法の研究分野では、2年連続で「Lustman Award」(イェール大学精神医学関連の学術賞)、「NARSAD Young Investigator Grant」(神経生物学の優秀若手研究者向け賞)を受賞。主著・共著合わせて50以上の論文があるほか、学会発表も多数。趣味はトライアスロン。

マルチタスクが脳の集中力を下げる

自動操縦か……。思えば現代人は自動操縦に慣れきっている。コンピュータのようなマルチタスク処理がもてはやされる「ながら作業」の時代と言ってもいい。誰もが目の前のことに集中せず、1つのことをしながら、ほかのことを考え・こなしている。

 「世界のトップエリートと言われるビジネスパーソンが、マインドフルネスに注目するもう1つの理由はここにある。膨大な仕事量を効率よくこなせる人間は、その反面で肝心なものを失いかねないんじゃ」

 「わかりました。集中力、ですね?」

 「そのとおり!」

ヨーダの顔にクシャッと笑顔が広がる。「自動操縦モードに慣れた人間は、集中力、つまり注意を一ヵ所に固定しておく力が減っていくんじゃよ。これがどんなビジネスにも致命傷となることは、ナツにもわかるじゃろ?」

ヨーダはまたタブレットを取り出すと、いくつかの論文ファイルを開いた。

 「マインドフルネスが集中力・注意力を高めるメカニズムについても、いろいろと脳科学的な研究は進んでおるぞ。注意をうまく分配する働き(前頭葉や頭頂葉が関与)とか、障壁となる葛藤をうまく処理する働き(前帯状皮質、島、基底核が関与)に、マインドフルネスは関連しているんじゃ[*1]。

たとえば、ある人事課スタッフたちを対象にした研究がある。スケジュール管理など複数の仕事を20分でこなすように言われたスタッフのうち、マインドフルネスを週2時間、5週にわたり行ったグループは、ただのリラックス法をやったグループよりも高い集中力を示したんじゃ。1つひとつの仕事に対する集中度が高まった結果、複数の仕事を短時間でこなせるようになったというわけじゃな」

*1 Chiesa, Alberto, Raffaella Calati, and Alessandro Serretti. “Does mindfulness training improve cognitive abilities? A systematic review of neuropsychological findings.”  Clinical Psychology Review 31.3 (2011): 449-464.

ヨーダの話に熱がこもってきた。目がギラギラと輝きはじめ、次々と事例がこぼれ出す。かつてイェール随一の脳科学者と呼ばれた男の頭脳が、高速で回転しはじめているのを私は感じていた。

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久賀谷 亮(くがや・あきら)

医師(日・米医師免許)/医学博士
イェール大学医学部精神神経科卒業。
アメリカ神経精神医学会認定医。アメリカ精神医学会会員。
日本で臨床および精神薬理の研究に取り組んだあと、
イェール大学で先端脳科学研究に携わり、
臨床医としてアメリカ屈指の精神医療の現場に8年間にわたり従事する。
そのほか、ロングビーチ・メンタルクリニック常勤医、ハーバーUCLA非常勤医など。

2010年、ロサンゼルスにて「TransHope Medical」を開業。
同院長として、マインドフルネス認知療法やTMS磁気治療など、
最先端の治療を取り入れた診療を展開中。
臨床医として日米で25年以上のキャリアを持つ。

脳科学や薬物療法の研究分野では、
2年連続で「Lustman Award」(イェール大学精神医学関連の学術賞)、
「NARSAD Young Investigator Grant」(神経生物学の優秀若手研究者向け賞)を受賞。
主著・共著合わせて50以上の論文があるほか、学会発表も多数。趣味はトライアスロン。


世界のエリートがやっている 最高の休息法

イェール大で学び、米国で18年診療してきた精神科医が明かす、科学的に正しい「脳の休め方」とは? 脳の消費エネルギーの60〜80%は、デフォルト・モード・ネットワーク(DMN)に使われています。これは、脳が意識的な活動をしていないアイドリング状態でも動いている脳回路。この回路が働き続ける限り、ぼーっとしていても、脳はどんどん疲れていくわけです。つまり、DMNの活動を抑える脳構造をつくり、脳にたしかな休息をもたらすことこそが、あなたの集中力やパフォーマンスを高める最短ルートなのです。

「世界のエリートがやっている 最高の休息法」

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