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世界のエリートがやっている 最高の休息法
【第8回】 2016年8月9日
著者・コラム紹介バックナンバー
久賀谷 亮

「過去と未来」が頭を占めると、脳疲労が溜まる
なぜ「呼吸」に注意するだけで脳が回復するのか?

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「どれだけ休んでも疲れが取れないのは、あなたの脳が疲れているからでは?」――イェール大学で学び、アメリカで開業した精神科医・久賀谷亮氏の最新刊『世界のエリートがやっている 最高の休息法』が、発売3日にして大重版が決定する売れ行きを見せている。
最先端の脳科学研究で見えてきた「科学的に正しい脳の休め方」とは?同書の中からストーリー形式で紹介する。

▼ストーリーの「背景」について▼
もっと知りたい方はまずこちらから…
【第1回】「何もしない」でも「脳疲労」は消えずに残る
―あんなに休んだのに…朝からアタマが重い理由
http://diamond.jp/articles/-/96908

【第2回】脳が疲れやすい人に共通する「休み=充電」の思い込み
―「疲れ→回復→疲れ…」のスパイラルから抜け出すには?
http://diamond.jp/articles/-/96965

【前回までのあらすじ】脳科学を志して米イェール大学に渡ったナツ(小川夏帆)は、諸事情により伯父が営むベーグル店〈モーメント〉を手伝うことになる。彼女のアドバイザーであるヨーダ(グローブ教授/イェール大)が語ったのは、科学的な研究に基づく「最高の休息法」だった。ついに、マインドフルネスが呼吸に着目する真の理由が明かされる。

「脳が疲れる理由」に気づく方法
──呼吸を意識する

久賀谷 亮
Akira Kugaya, PhD/MD
医師(日・米医師免許)/医学博士
イェール大学医学部精神神経学科卒業。アメリカ神経精神医学会認定医。アメリカ精神医学会会員。
日本で臨床および精神薬理の研究に取り組んだあと、イェール大学で先端脳科学研究に携わり、臨床医としてアメリカ屈指の精神医療の現場に8年間にわたり従事する。そのほか、ロングビーチ・メンタルクリニック常勤医、ハーバーUCLA非常勤医など。
2010年、ロサンゼルスにて「TransHope Medical」を開業。同院長として、マインドフルネス認知療法やTMS磁気治療など、最先端の治療を取り入れた診療を展開中。臨床医として日米で25年以上のキャリアを持つ。
脳科学や薬物療法の研究分野では、2年連続で「Lustman Award」(イェール大学精神医学関連の学術賞)、「NARSAD Young Investigator Grant」(神経生物学の優秀若手研究者向け賞)を受賞。主著・共著合わせて50以上の論文があるほか、学会発表も多数。趣味はトライアスロン。

 「コツは『背中はシャッキリ、お腹はゆったり』じゃ」

翌日、イェールのグローブ研究室を訪ねると、さっそくレクチャーの続きがはじまった。昨日までの講義形式とは打って変わって、今日からは実践的なセッションをやるつもりのようだ。

ヨーダは最初に、椅子に楽に腰掛けるよう言った。背筋は軽く伸ばし、背もたれから離す。そのときのコツが「背中はシャッキリ、お腹はゆったり」なのだそうだ。手は太ももの上に置く。脚は組まないようにして、足の裏を地面にぺたりとつける。目は閉じてもいいし、開けていてもいい。開けるのなら、2メートルくらい先を見るイメージにするといいそうだ。

 「うむ、それが基本姿勢じゃ。大事なのが何もしようとしないこと。ただここにあることを自分に許すんじゃ」

早くも私は、昨晩感じた自分の変化を訝しんでいた。マインドフルネスを一瞬でも信じかけた自分の素直さが呪わしい。「何もしない、ただここにある」——結局は坐禅の「只管打坐」と同じではないか。

 「むむ、ナツ……まだ雑念があるな」

まるでかつての父だ。ヨーダは私がほかのことを考えているのを、すぐに見抜いてしまう。苦々しい感情とともに、いやな思い出が次々と蘇ってきた。

*   *   *

 「まず自分の身体の感覚に意識を向けてみることじゃ。足の裏が床に触れている感覚はあるか?手が太ももに触れている感覚は?お尻が椅子に触れている感じもするはずじゃ。身体全体が地球に引っ張られる重力も感じるかな?」

何をやっているのかさっぱりわからない。たしかにヨーダの言うとおり、それぞれに意識を向ければ感覚はある。しかし、わかりきったことではないか。20秒もすると、もう耐えられなくなってきた。

 「次にな、呼吸に注意を向けてごらん。呼吸に関係する感覚を意識するんじゃ。空気が鼻を通る感覚はあるか?胸に空気が入るにつれて、胸が膨らむ感じは?お腹が持ち上がる感覚は?」

 「(……何なの、これ?深呼吸くらいわざわざ教えてもらうまでもないわよ!)」

次のページ>> これは深呼吸とは違う
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久賀谷 亮(くがや・あきら)

医師(日・米医師免許)/医学博士
イェール大学医学部精神神経科卒業。
アメリカ神経精神医学会認定医。アメリカ精神医学会会員。
日本で臨床および精神薬理の研究に取り組んだあと、
イェール大学で先端脳科学研究に携わり、
臨床医としてアメリカ屈指の精神医療の現場に8年間にわたり従事する。
そのほか、ロングビーチ・メンタルクリニック常勤医、ハーバーUCLA非常勤医など。

2010年、ロサンゼルスにて「TransHope Medical」を開業。
同院長として、マインドフルネス認知療法やTMS磁気治療など、
最先端の治療を取り入れた診療を展開中。
臨床医として日米で25年以上のキャリアを持つ。

脳科学や薬物療法の研究分野では、
2年連続で「Lustman Award」(イェール大学精神医学関連の学術賞)、
「NARSAD Young Investigator Grant」(神経生物学の優秀若手研究者向け賞)を受賞。
主著・共著合わせて50以上の論文があるほか、学会発表も多数。趣味はトライアスロン。


世界のエリートがやっている 最高の休息法

イェール大で学び、米国で18年診療してきた精神科医が明かす、科学的に正しい「脳の休め方」とは? 脳の消費エネルギーの60〜80%は、デフォルト・モード・ネットワーク(DMN)に使われています。これは、脳が意識的な活動をしていないアイドリング状態でも動いている脳回路。この回路が働き続ける限り、ぼーっとしていても、脳はどんどん疲れていくわけです。つまり、DMNの活動を抑える脳構造をつくり、脳にたしかな休息をもたらすことこそが、あなたの集中力やパフォーマンスを高める最短ルートなのです。

「世界のエリートがやっている 最高の休息法」

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