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「引きこもり」するオトナたち

就職は必ずしもゴールではない!
引きこもりから抜け出すために必要な「3つの要素」

池上正樹 [ジャーナリスト]
【第40回】

 どこにも行き場がない。純粋な「引きこもり」関係の家族会のようなものに参加したい。でも、どこに相談したらいいのかわからない。そんな声がよく寄せられてくる。

 「自分の住む近隣に、同じような悩みを共有できる空間があったらいいのに…」

 しかし、地域の中で孤立している「引きこもり」の人たちやその家族が、個々の意向に沿うような集まりを探そうと思っても、なかなか情報すらないのが現実だ。

 そんな彼らに手を差し伸べようとする民間の支援者の側は、個別に正面から向き合って、選択肢を提示し、長くサポートし続けようとすれば、なかなか採算が合わないといわれている。そんな支援の動きの中にも、少しずつだが、新たな模索も始まっている。

社会に出たいのに出られない人に
きめ細かなサポートをする「55%の会」

 「社会に出たいのに出られない。そんな人たちの行き場を作り、ひとりひとりにトレーニングなどのきめ細かなサポートの選択肢を提供していきたい」

 と、多様化していくニーズに対応するため、これまで別々に支援活動を続けてきた東京都杉並区の2人の女性心理カウンセラー、NPO法人「ウイッシュ・プロジェクト」代表理事の村上朋子さんと、カウンセリングルーム「ウォーム」主宰の岡本二美代さんが、個人の立場で2009年11月、「55%の会」という団体を立ち上げた。

 「引きこもる人たちの意識傾向は、完璧主義やネガティブ思考が多く、本人も親も皆、ゼロか100しかない。60%は一般には合格点ではあるけど、引きこもっている人たちには、しんどすぎる。それなら、55%くらいの中途半端さを目指していれば、少しずつ未来が見えてくるのではないか。 55くらいあれば十分という感覚を身につけてほしい、というのが趣旨です」(村上さん)

 同会がこだわっているのは、関わる人が「引きこもり」当事者や家族に何かをしてあげようと思うのではなくて、彼らと同じ土俵に立って、一緒に泥にまみれながら、ずっと受け止め続けることだという。

 「いままでの実績を生かして、行政の丸抱えではなく、自立できる金額で最善のプログラムを提供していきたい」(村上さん)。

 活動としては、毎月1回、勉強会や交流会を行う「家族会」と、家と社会との中間で安心して居られる場である「居場所」を設置。カウンセリングを通して、きめ細かでトータルな支援を行っている。

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池上正樹 [ジャーナリスト]

通信社などの勤務を経て、フリーのジャーナリストに。主に「心」や「街」を追いかける。1997年から日本の「ひきこもり」界隈を取材。東日本大震災直後、被災地に入り、ひきこもる人たちがどう行動したのかを調査。著書は『ひきこもる女性たち』(ベスト新書)、『大人のひきこもり』(講談社現代新書)、『下流中年』(SB新書/共著)、『ダメダメな人生を変えたいM君と生活保護』(ポプラ新書)、『あのとき、大川小学校で何が起きたのか』(青志社)など多数。TVやラジオにも多数出演。厚労省の全国KHJ家族会事業委員、東京都町田市「ひきこもり」ネットワーク専門部会委員なども務める。YAHOO!ニュース個人オーサー『僕の細道』

 


「引きこもり」するオトナたち

「会社に行けない」「働けない」――家に引きこもる大人たちが増加し続けている。彼らはなぜ「引きこもり」するようになってしまったのか。理由とそうさせた社会的背景、そして苦悩を追う。

「「引きこもり」するオトナたち」

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