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空き家だらけの住宅地、首都圏で拡大中の実態

週刊ダイヤモンド編集部
【16/8/13号】 2016年8月8日
著者・コラム紹介バックナンバー
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ジブリアニメの舞台となった聖蹟桜ヶ丘も、現在は空き家が目立つ

『週刊ダイヤモンド』8月13・20日合併号の第1特集は「『実家』の大問題」です。いざ、実家を相続するとなると、とても大変です。思い出が詰まった大量の荷物の片づけからお墓に至るまで、すべきことが山盛りだからです。何より、不動産としての実家をどうするか――。そんな実家にまつわる数々の問題について、処方箋を余すことなくお伝えします。

 「見た目は閑静な住宅街でも、実際は空き家ばかりですよ……」

 東京都多摩市の聖蹟桜ヶ丘──。かつて「多摩の田園調布」と呼ばれた郊外型の高級住宅地である。都内の地理に明るくなくとも、スタジオジブリのアニメ映画「耳をすませば」(1995年)の舞台となった高台の街、と聞けばピンとくる人も多いだろう。

 京王電鉄(当時・京王帝都電鉄)が自らのお膝元、「聖蹟桜ヶ丘駅」の南側を開発し、「桜ヶ丘住宅」として、62年から1区画平均100坪で分譲をスタート、計約1300戸を販売した。

 「新宿駅」へは特急で約30分。高度経済成長期の人口急増に合わせて、郊外に次々とつくられた大規模宅地の代表的存在である。

 ただし、もともとは人が住もうとしない不便な場所を開いただけに、分譲地の入り口から中心に当たるロータリーに至るには、高低差50m超の「いろは坂」を1km近く上り続けなければならない。

 「耳をすませば」で、ヒロインが高台に立つ家からの風景に「空に浮いているみたい」と感激するシーンがあるが、高齢化が進む“リアル”の住民にとっては、もはや苦行以外の何物でもない。

 ロータリー周辺にはバスを待つ高齢者ばかり。冒頭のように街の荒廃を嘆いた男性もその一人で、この土地に移り住んでから、すでに35年がたつという。

 「子どもたちは皆、家を出て都心に引っ越し、高齢者となった親世代だけが残されました。今では、街中で幼い子どもの姿を見ることはほとんどありません」

 実際、住宅街を歩いてみても、夏休み中にもかかわらず、子どもの姿は見当たらない。一方、長年放置されているであろう草木の生い茂る空き家はすぐに見つかった。

 2016年、桜ケ丘の公示地価は1平方メートル16万円(3丁目)。これに対し、過去の最高価格は88年の同77万円だ。地区計画で定められている最低敷地面積164平方メートルの区画でさえ、バブル末期の1.27億円から、2640万円へと、1億円下落したことになる。

 だが、それでも買い手は容易には見つからない。

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