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47原則
【第12回】 2016年8月12日
著者・コラム紹介バックナンバー
服部周作

プレゼンで自信たっぷりに話せるかどうかは
才能に関係なく冒頭3文の工夫次第だった!
【仕事ができる人の原則22】プレゼン冒頭の3文は暗記する

私たちが思っている以上に、仕事上のちょっとした工夫が、成果や評価に大きな差をうんでいた?!世界一のコンサルティングファームで世界7ヵ国のビジネスに携わった著者が、社内外の“できる人”たちの仕事の鉄則をまとめた翻訳書『47原則 世界で一番仕事ができる人たちはどこで差をつけているのか?』(原著タイトル“THE McKINSEY EDGE”)より、今日からでも役立つ成功原則の一部を紹介していきます。
今日のお題は「プレゼン冒頭の3文は暗記する」。プレゼン発表に自信がないという人も、“それらしく”振る舞って滑り出すと不思議とスムーズに話せるのです。

 説得力のあるプレゼンテーションの決め手は何でしょうか。それを考えるうえで、面白い実験があります。

 ある調査会社が役者を雇って専門家らしく見えるように仕込み、クライアントとの会議に出席させる、という実験でした。会議が終わってから参加者にアンケート用紙に記入してもらい、何度か同様に試してみたところ、すべてのアンケート結果はまったく同じ傾向を示していました。

自信たっぷりに話すことで、聴衆も自分も安心するもの!そのためにはどうすれば??

役者は会議のテーマについてなんら理解していなかったというのに、みな彼が本物の専門家だと信じ込んでいたのです。

 つまり、“専門家のふり”をして、会議参加者の目を完璧に欺いた役者のように、あなたもそれらしく振る舞うことで信頼を勝ち得ることができるというわけです。それには、守るべき決定的なルールがあるので、ご紹介しましょう。

 まず、「プレゼンの最初の3文を暗記すること」です。

 マッキンゼーのシニア・エキスパートのポールによると、プレゼンの導入部が全体の行方を左右します。

 「新規クライアントのプロジェクトで私がプレゼンを準備するときは、最初のほう、つまり導入部分で自分が話すべき内容を書き留め、確実にクライアントの心をつかめるように工夫します」

 最初の3文を暗記する理由は、この部分が一番注目を浴び、みなiPhoneをいじくり回さずに耳を傾けている瞬間だからです。まだスクリーンなどにもスライドは映さず、全員があなたの話に集中できるようにしてください。プレゼンの冒頭で自信がなさそうな様子を見せると、あなたに対する興味がなんとなく失われてしまいます。

あなたに、ゆとりが生まれる!

 最初の3文を暗記することが大切な理由として、もっと大事なことがあります。

 それは、あなた自身が安心できるところです。出だしが好調だと、無意識のうちに自信にあふれたリズムが生まれます。スライドの図表に主導権を奪われるのではなく、あなたの発言を補う道具として使いこなすことができます。さらに、プレゼンを聞いている同僚に対してインパクトがあります。あなたの声の調子や態度に上司は安心し、チームメンバーは誇らしく感じるでしょう。

 特にスピーチというのは、才能さえあれば簡単にできるものだと過信されていますが、そんなことはありません。才能がないと思い込んでいる人でも、この単純なルールによって緊張感を克服すればうまいスピーチができるんだ、と頭の片隅にとどめておいてください。

 また、短いフレーズを使うことも、より成熟したリーダーの印となります。経営幹部など相手が上層部になるほど、できるだけプレゼンをシンプルにしましょう。

 経営幹部レベルの人たちや、あらゆる分野の一流のリーダーたちは、小難しい発言が理解しづらいことをよく承知しています。あなたに知識があればあるほど発言が多くなる傾向にあり、もどかしく感じさせてしまいます。あなたの思考が抑えられないほど展開していき、あなた自身にとっては完璧に筋が通っていても、聞き手は話についていけずに退屈してしまいます。

 したがって、大きく深呼吸し、軌道を修正して、考えを手短にまとめましょう。文と文の間に1秒間の間をとると、意識して短めのフレーズを使うことができます。

情感に訴えた短いフレーズで惹きつけよう

 そして、人を惹きつけるために一番良い方法は情感に訴えることであり、この理論は記憶についても当てはまります。

 例えば、ある引用句に心を強く惹かれれば惹かれるほど、それを長期間覚えておくことができます。また、聞き手の記憶や経験や文化が、注意力に深く影響することを肝に銘じておきましょう。あなたが話しかける聴衆の経歴や環境を念頭に置き、それに合わせてメッセージを発信することを心がけましょう。

 補足として述べると、あなたがプレゼンで話す内容と、資料に載せた内容がまったく異なるとしても、それは問題ありません。聴衆は両者がぴたりと同じ内容でなくとも、気にしません。ただし、スクリーンに映し出された内容のうち、言葉で何から説明するかは慎重に選ぶ必要があります。例えば、スクリーンに図表が映し出されると、脳は即時に縦横2列ずつの表やXYグラフを処理しますが、登壇者は一度にひとつの軸しか説明できません。両軸を同時に捉えて説明することはできないからです。つまり、語りは常に線状の道をたどりますが、数字入りの図表は必ずしもそうではない、という点を頭に入れてプレゼンを進めてください。

 繰り返しになりますが、誰もがプレゼン上手なわけではありません。私も、決して得意ではありませんでした。非常に緊張したものです。今でも、才能ある人のようには話せません。

 でも、少しずつうまくなるのも事実です。冒頭の3文を暗記すると、肩の荷が下りて、少なくとも幸先の良いスタートを切ることができるでしょう。実行してみれば、すぐにその手応えが感じられるはずです。

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服部周作(Shu Hattori)

経営コンサルタント。カナダ・マギル大学商学部卒業、政府奨学生として国立台湾大学卒業(経営学修士)。マッキンゼー・アンド・カンパニーにて、アジア、北米、ヨーロッパなど7か国における先端技術産業、ハイテク産業、メディア産業分野のプロジェクトに従事し、2015年独立。日中を市場とする求人ポータルサイト運営など、ベンチャー設立経験も複数有する。日本語と英語を母国語とし、中国語も堪能。初の著書として、米国にて2015年11月に『THE McKINSEY EDGE』(McGraw-Hill Education社)を刊行し、本書は本人による邦訳版である。
 


47原則

マニュアルにない小さな工夫が、成果や評価に大きな差を生む!著者が世界一のコンサルティングファームで学んだ究極の仕事術を紹介していきます。著者が世界7か国のビジネスに携わるなかで随時メモしてきた手法の数々を踏まえ、尊敬する社内外のリーダーたち約20人にヒアリングして厳選した成功原則は、話を聞いたリーダーたち自身も「20代のときから知っておきたかった!」と実感するポイントばかり。“仕事ができる”リーダーたちが日ごろさりげなくやっている日々の習慣やマインドセットなど世界最強の「仕事の基本」、今日から実践できます!

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