『アルフレッド・アドラー 一瞬で自分が変わる100の言葉』がダイヤモンド社から発売されたことを記念して、20万部突破の第一弾『アルフレッド・アドラー 人生に革命が起きる100の言葉』を特別公開します。アドラーの厳しくもあたたかい言葉に、あなたも勇気づけられてください。

不機嫌でいるか上機嫌でいるかは、妻の課題。
その課題を勝手に背負うから苦しいのだ。

妻が不機嫌なときに、夫が気を使う必要はない

 妻がふさぎこんでいるのを見て、夫が機嫌を取ろうとしています。妻を幸福にできない自分が無能であるかのように思え、自分の価値を否定された、と感じてしまうからです。「ドライブに行こうか?それとも散歩でもしようか?」しかし、どのように提案しても妻は「出かけたくない」と拒絶します。そんな妻に夫は段々イライラします。そして、ついに怒り出しました。「こんなに気を遣ってやっているのに、なんでおまえはわからないんだ!」そして、その日一日、二人は最悪の気分で過ごすことになるのです……。

 このケースの場合、夫は妻の機嫌や感情を自分の思い通りにコントロールしようとしています。まさに、妻の課題に土足で踏み込んでいる、と言えるでしょう。これでは二人の人間関係はズタズタになってしまうに違いありません。

 では、妻が不機嫌であるのを見たときに、夫がイライラしても、グッとこらえて何も言わずに我慢したとしましょう。この場合、夫の問題は解決したのでしょうか。いいえ、それでもまだ、夫には問題が残ります。「相手がどのように感じるか」は「相手の課題」です。しかし、それを自分の責任であるかのように背負い込んでいる時点で、夫はまだ「課題の分離」ができていないのです。相手の課題に責任を感じてはいけません。相手の課題を勝手に背負うから苦しくなる。相手との間に線を引き、明確に分離することが必要なのです。

妻が不機嫌なときに、夫が気を使う必要はないアルフレッド・アドラー Alfred Adler(1870年-1937年)
オーストリア出身の精神科医、心理学者、社会理論家。フロイト、ユングと並んで現代のパーソナリティ理論や心理療法を確立した1人。個人心理学(アドラー心理学)を創始し、『7つの習慣』のコヴィー博士、カーネギーらに影響を与えた。「自己啓発」の源流である。

※本連載は日曜日以外の毎日更新します。