草食男子から始まり、弁当男子、スイーツ男子、装飾男子……と続く「~~男子」ブーム。果たして、それに並ぶだろうか――。最近オフィスには、一時期話題になった「水筒男子」の一歩先を行く(?)、「水道男子」が現れ始めているというのだ。

節約もここまで来た!?
「水筒男子」「水道男子」の出現

 「BWT 水道水研究委員会」が東名阪エリアに住む20~30代の独身ビジネスパーソン200人を対象に「水筒やドリンクを自宅から仕事に持って行ったことがあるか?」というアンケートを行ったところ、約半数が「ある」と回答。水筒などの容器にドリンクを入れて持ち歩く「水筒男子」は確かに一定数存在しているようだ。

 それでは「水道男子」の実態はどうだろうか。「仕事中にのどが乾いたら何を飲んでいますか?」という質問に、「会社の水道水」と回答したのは8%。さらに、ポット型浄水器を使って日常的に水道水を飲んでいる答えたビジネスパーソンは全体の5%だった。

ポット型浄水器を知っているか?

 数で見るとまだまだ少ないが、実際筆者の周囲にも「水筒男子」と「水道男子」がいたので話を聞いてみた。

 1人は海外旅行で茶こし付きの水筒を買ったのをきっかけに、水筒を利用するようになったという男性。

「オフィスでお湯を沸かし、ティーバックでお茶を入れている。もともとコスト的にペットボトルを買うことに抵抗があったので、重宝している」(制作会社・29歳)

 もう1人は、約2年前からポット型の浄水器を使っているという男性。

「ショッピングモールで実演販売をしていて、実際に飲んでみたところ確かにおいしかったので興味を持った。数か月に一度、カートリッジを交換する手間はあるが、気に入っているので続けている」(IT関連・28歳)

 2人とも、「コストのことを考えて」、ごく自然に「水筒」や「水道」を使い始めている様子だ。

ペットボトル水は危険!?
豪州では販売中止も

 同アンケートでは、「最近、節約を心がけるようになったか」という質問もしており、これに約8割が「はい」と回答。やはり、この不況下での節約志向が水筒や水道に目を向けるようになったきっかけとも考えられる。「ポット型浄水器を使うことで、毎日2回コンビニで飲み物を買っていたお金が浮いている」(メーカー勤務・男性26歳)などの声も紹介されている。

 しかし、「節約のため」という目的の一方で、欧米で盛り上がりつつある「マイボトル」ブームと連動しているのでは、と見る向きもある。

 約2年前に英・ロンドン市長が「ペットボトル入りの水は水道水に比べ価格が500倍、環境への悪影響は300倍」として、ペットボトルのボイコットを呼びかけたことが話題となった。さらに、米・ニューヨークやソルトレークシティーでも、市民に対して「水道水を飲もう」という呼びかけがなされている。

 また、オーストラリアでは昨年の9月、シドニー南部にあるバンダヌーンという街でペットボトル入り飲料水の販売禁止条例が施行された。店頭からペットボトルが撤去された代わりに、店では繰り返し利用できるボトルを販売。公共の水飲み場も設置された。この試みは世界でも珍しいというが、「マイ箸」ならぬ「マイボトル」ブームは世界各地で着々と広がっているようだ。

 同じアンケートで、「地球の温暖化、CO2の削減について、自分もできることは取り組みたいと思いますか?」という回答に対して、「かなりそう思う」「そう思う」は全体の約75%。

 話を聞いた2人の男性は「特にエコだとは意識していない」という答えだったが、以前は女性だけに多くみられた「水筒持ち歩き」や「オフィスでお茶を入れる行動」が男性の間にも浸透しつつあることは興味深い。

 「水筒男子」や「水道男子」、あなたの周囲にもいませんか?

(プレスラボ 小川たまか)