東京証券取引所に上場するETF/ETNが200本に達した。日銀の買い入れでも注目されるETFは、長期投資を目指す個人投資家の資産形成にこそふさわしい。

 証券取引所に上場し、株価指数などの指標に連動させることを目指すETF(上場投資信託)/ETN(上場投資証券)(以下、ETF)に資金が急速に集まっている。国内で組成されたETFの運用総額である純資産残高は2011年2兆7300億円、12年4兆2100億円、13年8兆1200億円というように倍々で増え、14年には10兆6500億円に達した。ETFは日本銀行が金融緩和政策の手段として買い入れを行っており、機関投資家も積極的に売買している。果たしてETFは大口投資家向けの商品なのか。

低コストで自由に
取引ができる指数連動型

高木 亮
東京証券取引所
上場推進部 調査役

 東京証券取引所の高木亮・上場推進部調査役は、「個人の資産運用商品としても優れた特徴があります」と説明する。例えばETFは通常の投資信託とは異なり、取引所の取引時間中であればいつでも売買ができ、株式と同じように相場を見ながら指値注文や成行注文がリアルタイムで出せる。レバレッジを効かせた信用取引も可能(NISA口座の場合は不可)。保有期間中に投資家が負担する信託報酬は投資信託に比べると低く、どこの証券会社でも売買できる。

 日本のETFには20年の歴史がある。第1号は1995年の「日経300株価指数連動型上場投信」だが、本格的なスタートは新たなETF制度が導入された01年とされる。この時点で7銘柄だったETFは10年かけて100銘柄に。

「ETFの対象となる指数がTOPIXや日経225などに限られていたため、商品の組成に限界があり、100銘柄達成に時間がかかりました」(高木氏)

 しかし08年、金融庁の「金融・資本市場競争力強化プラン」に基づき、株価指数連動型ETFの多様化と株式以外の上場有価証券等を投資対象とするETFの解禁が行われ、商品の多様化が図られてからペースが速まる。

「商品に連動するものや、レバレッジ指数、ROE(株主資本利益率)などを重視したスマートベータ指数などに連動するものが上場されるようになりました」(高木氏)

 そして100本上場から4年後の3月18日、200本目のETFが上場された。