【第10回】 2007年11月28日
ピーター・ドラッカー
マネジメントの父

ピーター・ドラッカーは世界中のマネジャーとマネジメント著述家の両方からマネジメントの権威として認められているが、彼自身は著述家と称されるのを好む。
自分がマネジメントを発明したとは言わないが、マネジメントが社会や経済の安寧に不可欠な人生の知恵であると最初に考えたのはドラッカーだというのは自身も認めるところだ。
ドラッカーの関心は実に幅広く、ジャーナリズム、美術鑑賞、登山、読書(特にジェーン・オースティンの作品にはインスピレーションを受けた)、そしてもちろんマネジメントについての教育や執筆やコンサルティングと実にさまざまな分野に及ぶ。70年以上にわたって出版された33冊以上の著作は少なくとも37の言語に翻訳されており、現代のマネジメント研究の祖と誰もが認める人物である。
人生と業績
ピーター・フェルディナンド・ドラッカーは1909年ウィーンで知識階級の名家に生まれ、幼少時代は戦前ウィーンの文化的エリートたちに囲まれて育った。彼はハンブルク大学に入学するが、その後フランクフルト大学に移り、1931年には公法、国際法の博士号を取得した。
ドラッカーはフランクフルト大学在籍中からフランクフルトの新聞社フランクフルター・ゲネラル・アンツァイガーで働き、国際および金融関係の編集部長に昇進した。その後文筆の才を認められ情報省での仕事を提供される。ナチスの台頭を憎悪の目で観察しナチスを糾弾する哲学的エッセーを執筆するが、おそらくこれが1933年の彼の渡英の契機となったと思われる。彼は1937年にアメリカに渡り、イギリス産業界向け投資アドバイザーやイギリスの新聞社数社の特派員として働いた。この中には、当時は「フィナンシャルニュース」という名であった現在の「フィナンシャルタイムズ」紙も含まれていた。
彼の最初の著書『「経済人」の終わり』(The End of Economic Man)は1939年に発表された。1940年にはドイツ経済と外交政策を専門に、企業や政府の施策立案者向けの私設コンサルタントを開業した。1940年から1942年にかけてサラローレンス大学で教鞭を執った後、バーモント州ベニントン大学の哲学、政治学、歴史学、宗教学教授となる。
この職について間もない頃、ゼネラルモーターズ(GM)の副社長に招かれ、現代の組織のあり方を究明し、組織を運営する経営者の行動実態を調査する機会を得た。
当時ドラッカーはビジネスの経験は比較的少なかったが、彼の分析は1946年の『会社という概念』(The Concept of the Corporation)の刊行へとつながった(イギリスでは『大企業』〈Big Business〉というタイトルで出版された)。この本はさまざまな受け取められ方をしたが、ドラッカーのマネジメント著述家としての将来を決定づけたのは確かだ。
1950年から1972年は、ニューヨーク大学経営大学院の経営学教授を務めるかたわら、幅広く執筆活動、教育活動、コンサルティング活動を行なった。1971年にクレアモント大学院大学の社会科学、経営学のマリー・ランキン・クラーク記念教授に任命された。この大学院には後に彼の名がつけられた。1994年にはハーバード大学のゴドキン講座講師に任命された。
Special Topics
バックナンバー
新着トピックス
- 野口悠紀雄 未曾有の経済危機を読む
- 「円高こそデフレの原因」説の怪しさ ──今こそ必要なデフレの経済学(6)
- 日本を元気にする企業の条件
- ホンダ、ヤマハ発、味の素、住友化学… 日本企業にもあるBOP市場開拓のネタ
- 『週刊ダイヤモンド』特別レポート
- 市民による市長リコールもまだできない 阿久根市政“大混乱”の責任は誰にある?
- News&Analysis
- 苦境の地方空港に追い討ちも? 火種くすぶる「ハブ空港」議論の真実
- 岸博幸のクリエイティブ国富論
- 日本のためにならない「FREE」礼賛論を疑え!
- 追跡!AtoZ ~いま一番知りたいテーマを追う!超リアルドキュメント
- 大ヒット商品が続々「特許切れ」へ。 2010年以降、もう「新薬」は生まれない!?
- チャンスを逃さない! 今どき「住活」事情 By SUUMO(スーモ)
- エコポイントがなくても人気は絶大? 想像以上に盛り上がる「エコ住宅」ブーム
- 働き盛りのビジネスマンを襲う 本当に怖い病気
- 手足のひび割れと関節痛が同時に!? 骨の変形をも引き起こす皮膚病の正体
ダイヤモンドオンラインplus 知っておきたい価値ある情報
最新の連載一覧
経済・時事
経営・戦略
スキル・キャリア
Diamond Premium 最新記事 無料会員登録すると全文が読めます
- 公認会計士・高田直芳 大不況に克つサバイバル経営戦略
- “不況に強い”にも関わらず売上急減!? 医薬品業界を襲う「2010年問題」とIFRS
- 金融市場異論百出
- 超インフレ国はジンバブエのみ 世界が学んだ「最低限の規律」
- 週刊ダイヤモンド 企業特集
- ユニー 前村哲路社長インタビュー 「現場の自由裁量権を広げ 個店経営のウエートを高める」
- 『社会貢献』を買う人たち
- キレイになって、途上国を支援! 女性の飽くなき「美への探求」が生んだ、一石二鳥のビジネスモデル
- 山崎元のマネー経済の歩き方
- 対等合併の呪

- 岡野工業・岡野代表エッセイ
- “神の手をもつ男”岡野雅行氏が日本の物づくりに「常識を捨て去れ」と喝!

- DOL編集部のツイッターを開始
- 最新記事の話題から編集部の日常まで、24時間つぶやきます。フォローよろしくお願いします。
Business information
この連載について
世界のビジネス界に大きな影響を与えた、偉大な思想家たちの生い立ちと実績を紹介。ドラッカー、ポーター、レビット、ミンツバーグ、ベニス、大前研一ほか。
ドラッカー、ポーター、大前研一ほか地上最強の思想体系の数々が一冊に。卓越した思想により、世界のビジネス観に革命を起してきた偉大なビジネス・シンカーたちの生い立ちと、思想体系をコンパクトに凝縮。世界標準の知識と教養をこの一冊で。2940円(税込)
- DOLブックストアで購入
購入金額に関わらず送料無料! - Amazonで購入
アクセスランキング
- 2位
- 週刊・上杉隆
- 元秘書として鳩山邦夫氏に苦言を呈す 信念の見えない離党に意味はあるのか?
- 3位
- News&Analysis
- 日本が望みを託す宇宙開発の切り札! 「宇宙エレベーター」の知られざるシナリオ
- 4位
- China Report 中国は今
- 優秀な中国人学生を採用できなくなった日本企業
- 5位
- 評価が上がる!上司を味方にする技術
- 上司に好かれる話の聴き方、嫌われない質問の方法
Recommend 話題の記事
- China Report 中国は今
- 優秀な中国人学生を採用できなくなった日本企業
- 田中秀征 政権ウォッチ
- 鳩山首相「発言のブレ」正当化に疑問を呈す
- News&Analysis
- 日本が望みを託す宇宙開発の切り札! 「宇宙エレベーター」の知られざるシナリオ
- 山崎元のマルチスコープ
- 官民一体の海外ビジネス受注期待を怪しむ
- ミドルマネジャーのための「不機嫌な職場」改革講座
- この閉塞感はどうにもならないのか? 組織の成果を最大化する人事制度とは
- SPORTS セカンド・オピニオン
- 大リーグ球団にとっての、日本人選手の価値を考える
- 政局LIVEアナリティクス 上久保誠人
- 参院選がどう転んでも、 政界の「世代交代」加速は止められない

- 【PrimeTime】トップインタビュー
- 「サービス力は人財力と組織力の掛け算」~百瀬次生・日立電子サービス社長

- 【THEProject】プロダクトとサービス最前線
- 現実味帯びる「IFRS」。最新会計基準対応処理システムを低コストで提供
雑誌定期購読のご案内
特大号・特別定価号を含め、1年間(50冊)市価概算34,500円が、定期購読サービスをご利用いただくと25,000円(送料込み)。9,500円、約13冊分お得です。さらに3年購読なら最大49%OFF。
1冊2,000円が、通常3年購読で1,333円(送料込み)。割引率約33%、およそ12冊分もお得です。
特集によっては、品切れも発生します。定期購読なら買い逃しがありません。
年間12冊を定期購読すると、市販価格8,400円が7,150円(税・送料込み)でお得です。お近くに書店がない場合、または売り切れ等による買い逃しがなく、発売日にお手元へ送料無料でお届けします。
※別冊・臨時増刊号は含みません。
偶数月の1日発売(隔月刊)。1年購読(6冊)すると、市販価格 5,880円→4,700円(税・送料込)で、20%の割引!
※別冊・臨時増刊号は含みません。
お知らせ・ご案内
- 会員専用ページ開始のお知らせ
- 7月より一部の記事で、無料会員登録した方だけが全文を読める形に変わりました。詳細はこちらをご覧ください。




