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世界のビジネスプロフェッショナル 思想家編

C. K.プラハラード
新しい戦略観

【第49回】 2008年9月10日
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C・K・プラハラード C・K・プラハラードは、アメリカで最も影響力のある戦略論の思想家の1人と見なされている。

 彼の研究は、大企業が国際競争やビジネス環境の変化に直面した時に、はたして競争力を維持することができるのかという強い懸念に端を発している。

 競争要因についての彼の思想の多くは、それまでの戦略思想(市場シェアやバリューチェーン)に異を唱えるもので、「戦略的意図」、「コアコンピタンス」、「ストレッチ戦略とレバレッジ戦略」といった概念に主眼を置いている。

人生と業績

 プラハラードは、物理学の世界からマネジメント思想の世界に入った。言うなれば、最も精緻な科学的分野から最もあいまいな分野に移ったのだ。彼は生産技術者として働いた後、1966年にインド経営大学でMBAを取得し、1975年にハーバードビジネススクールでDBA(経営学博士)を取得した。それ以降、彼はハーバードの客員研究員、インド経営大学教授、INSEAD(ヨーロッパ経営大学院)客員教授を歴任した。彼は現在、ミシガン大学経営大学院の企業戦略および国際ビジネスのハーヴィ・C・フルハーフ記念教授である。プラハラードは、イーストマン・コダック、AT&T、ハネウェル、フィリップス、モトローラ、アールストロームといった多くの多国籍大企業のコンサルタントを長年にわたり務めている。

 戦略思想の分野におけるプラハラードの功績は広く認められている。「ビジネスウィーク」誌は、「ミシガン大学の才気あふれた教授であるプラハラードは、現代の企業戦略の思想家の中でおそらく最も影響力のある人物であろう」と書いている。1993年9月の「ウォールストリートジャーナル」の「マネジメント教育特別号」は、彼を世界のトップ10教育者の1人に挙げている。1994年にはインド―アメリカ協会より、両国の親善、理解、友好を促進した顕著な功績に対して賞が贈られた。

 また1995年には、アメリカ競争力学会(American Society for Competitiveness)から、ビジネス競争力に対する顕著な学問的貢献を認められた。

思想のポイント

●『コアコンピタンス経営』
 プラハラードは1994年に、ゲイリー・ハメルとともに画期的著書『コアコンピタンス経営』(Competing for the Future)を著した。この本は戦略的意図、コアコンピタンス、競争の場、ストレッチ戦略とレバレッジ戦略、探検的マーケティングという概念を取り上げており、これらに立脚した新しい戦略モデルを構築している。

●戦略的意図
 戦略的意図とは、企業の全階層、全部門で勝利への執着心を生み出す手段であるという。これは、世界のリーダーを目指す者すべてが共有する競争上の課題である。戦略的意図においては、競争優位を生み出すために、ストレッチ目標が利用される。

 たとえば、1960年代の終わりまでに人を月面に着陸させるという目標は、アメリカが宇宙開発における国際的リーダーとなることを可能にしたストレッチ目標であった。大きな目標と実力とのギャップを埋めるように企業を育てるのが、トップマネジメントの役割である。

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