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理想と現実のギャップは埋められるか?
日本の将来を占う「民主党経済」を総点検

『週刊ダイヤモンド』

 9月17日の鳩山由紀夫政権の発足から、約50日が過ぎました。

 「二大政党制」が定着している米国では、政権発足後100日は“ハネムーン期間”と呼び、新政権に対する批判を控えるものだといいますが、ちょうどその半分が経過したことになります。

 ただ、足下の日本経済や財政の状況を考えると、ハネムーンなんて悠長なことは言っていられません。

 そもそも批判を控えるというのは、政権発足に対する単なる祝福の意からではありません。まずは落ち着いて政策実現のための基盤をしっかり造って欲しいからです。

 その意味では、建設的な指摘、疑問点の提示、忠言はむしろ必要でしょうし、現段階での政策検証にも意義があると考えます。今週号は、そんな民主党政権の、とりわけ経済政策について総点検するものです。

 あらためて民主党のマニフェストを見てみると、具体的な政策は、大きく5つの分野にくくられていることがわかります。

 「ムダづかい」「子育て・教育」「年金・医療」「地域主権」「雇用・経済」の5つです。これらには大きく番号が振られているところから考えると、それが民主党にとっての優先順位でもあるのでしょう。

 このうち、「雇用・経済」は5番目です。この世界的な不況下に誕生した政権でありながら、産業政策を5番目と低く位置付けている点もさることながら、「生活者へのバラマキばかりで、成長戦略が感じられない」「温室効果ガス25%削減目標や最低賃金引き上げなどの雇用政策など、産業界にとってはマイナスの政策が多い」などと、経済界では不評を買っている面は否めません。

 また、現状では不確定要素が多く、どの業界も新政権の出方を窺っている時期でもあります。

 政策を検証するときには、政策のどの“段階”に問題があるのかを明らかにしないと、議論が噛み合わなくなるおそれがあります。

 たとえば、国民的関心事になった八ッ場ダムの建設の是非。この問題を議論するときのテーマは、ムダな公共事業を見直すという「基本理念」の理非についてなのか、八ッ場ダムという特定のダムを止めるという「具体策」についての当否なのか、あるいは前原誠司国土交通相のコミュニケーション手法という「手順」の巧拙についてなのか──。

 まずはその点を明らかにしないと、議論は宙に舞ってしまいます。

 また、個別の政策だけでなく、ほかの政策との「整合性」も大事です。たとえば、高速道路無料化政策によって自動車の交通量が増え、温室効果ガスの削減という別の政策を妨げる可能性があるわけで、1つの政策のみの是非だけでなく、すべての政策を見渡したうえで全体最適になっているかについてのチェックも必要です。

 こうした視点に留意しながら、先の5分野をさらに15のテーマに分け、それぞれの論点を炙り出しました。

 さらに、すでに始まっている政策転換によって各業界にはどんな激震が走っているのか。13業界について、その影響度をレポートしています。

 そして、藤井裕久財務相、仙谷由人行政刷新担当相の2人の大臣に、民主党政権は日本をどのように変えていこうとしているのか、お答えいただきました。もちろん本誌独占インタビューです。

 ちなみに今号の表紙には、民主党のマークである水平線と交わる太陽の写真を用いました。くっきりとした上半分に比べ、水面に映った日の光は波に揺られて輪廓がぼやけています。

 まさに国民に約束したマニフェストを守り抜くという政治手法の明解さと、その具体的実効性のあやふやさの対比を表すかのようです。

 何より心配なのは、この太陽がこれから昇るのか、沈むのかという点です。

(『週刊ダイヤモンド』副編集長 深澤 献)

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