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日本と同じく欧州でも、気候変動への対応、農業従事者の減少と高齢化、食料安全保障の強化、市民の志向変化(エシカル消費、地産地消、健康等)など「食」を取り巻く環境が急変しています。こうした中、欧州最大の農業国フランスでは、より持続可能な農業への転換を支えるアグリテック(農業革新のための技術)のエコシステムが急発展しています。
バカンスシーズン真っただ中のフランスですが、子供たちも2カ月の夏休みの折り返し点に差し掛かります。彼らには、夏休みの宿題や部活はありません。理由は文字通り「夏休み」だからです。その代わり、どの家庭環境の子供達も普段できない活動をします。一方、中高生を中心に、日本の多くの子供たちは正反対です。夏休み返上で、先生や親から課された学期中の延長線上の活動に励みます。宿題、部活、補習、塾の夏期講習などです。偏差値と受験に偏重した時代錯誤の教育システムに組み込まれ、夏休みに休まない日本の子供たちの将来は一体どうなるのでしょうか?
日本に似て起業文化が希薄だったフランスですが、ここ数年、オールドエコノミーからの脱却が加速しています。2030年までにユニコーン100社との目標が掲げられ、スタートアップ立国に向けた新たなフェーズに入っています。
ヴィリーは、なぜ「赤い大公」と呼ばれるようになったのか?[前編]ハプスブルク家と神聖ローマ帝国【橘玲の日々刻々】
歴史家ティモシー・スナイダーの『赤い大公 ハプスブルク家と東欧の20世紀』(慶応義塾出版会)は、“高貴な血”を受け継ぐハプスブルク家の王子ヴィルヘルム(ヴィリー)の、歴史の激動のなかで忘れ去られていた数奇な人生を発掘し、それを東欧やウクライナの現代史と重ね合わせて高い評価を得た。原題は“The Red Prince; The Secret Lives of a Hapsburg Archduke(赤いプリンス ハプスブルク大公の知られざる人生)”。
ロシアによるウクライナ侵攻が始まって、2カ月が過ぎた。戦いは長期化し、プーチンの思惑とは違う結果になっている。これまで戦争に連勝することで人気を維持してきたプーチン。追い詰められた彼は、「核」使用を決断するのだろうか。
ロシア軍がウクライナへの侵攻を開始した。ロシアは2月21日、ウクライナ東部ルガンスク、ドネツクの独立を承認。そして、両地域に「平和維持部隊」を送ることを宣言した。筆者は「ウクライナ侵攻をもくろむプーチンの『本当の狙い』はどこにあるか」で、「ロシア軍がウクライナに侵攻すれば、その目的は『ルガンスク、ドネツクのウクライナからの完全独立を達成すること』だろう。そして、事実上、ロシアの属国となる」と書いたが、悪い予想通りになってしまった。プーチンの目的は、何なのか?ロシア軍は、ルガンスク、ドネツクを越えて、ウクライナの首都キエフを目指すのだろうか?
ロシアによる「ウクライナ侵攻」の可能性が高まっている。米国務省は1月23日、在ウクライナ米大使館職員の一部と職員の家族に退避命令を出した。なぜプーチンは、ウクライナに侵攻したいのか。そして、いったい何を望んでいるのか。
世に氾濫する「ニッポン後退論」は軽く聞き流し、「諸外国に抜かれまい、抜かれたら抜き返す、そのためには変わらなければ」との力んだ発想は捨てるべきです。むしろ日本人は自分たちを再認識し、無理せず自然体で独自の進化を遂げればいいのです。そうすることで、人々の生活と地球環境を豊かにする、持続的で高付加価値かつ高貴な社会モデルができ、世界もこれに注目するでしょう。
SDGs、ESG投資などが注目され、社会(ヒト)と環境(自然)を気遣うサステナブルな事業経営を目指す企業が世界的に増えています。こうした中、企業にとって社会の分野で最も身近で重要なヒトは社員です。環境対策や消費者保護もさることながら、まずは社員が、人権を守られた働きやすい環境で生き生き仕事ができているか?これを問い続けることが企業の社会的責任の基本です。
ロシアで大きな変化が起こっている。「反体制派の指導者」「ロシア一の政治ユーチューバー」アレクセイ・ナワリヌイが投稿した3本の動画が、「プーチン神話」に大打撃を与えているのだ。ロシアで今、何が起こっているのだろうか?
欧州では市民の9割が環境と社会に責任ある消費行動をしているといい、パッケージフリーな小売形態がフランスを中心に拡大しています。バルクで店に運ばれてきた包装されていないオーガニック食品等を、来店客自ら持参する容器に必要な量だけ入れてもらう「量り売り」をする専門店やスーパー内コーナーです。
SDGs(持続可能な開発目標)のSとDに当たるサステナブル・デベロップメント(持続可能な開発)の概念は、14世紀にフランス国王フィリップ6世が公布した林業規定に端を発するという説があります。これは時の権力が国民に強いた命令でしたが、650年以上を経た昨今は、国民が権力(政府や経営者)にサステナブルな社会づくりを迫るに至ってます。
米大統領選で勝利したバイデンは、「親中派」とされている。それでも、「米中覇権戦争」は終わらない。その理由や背景について、解説する。
総裁選に圧勝し、首相に就任した菅義偉氏。秋田県のイチゴ農家に生まれ、自力で大出世を果たした。菅氏は、これからどうなっていくのだろうか?正しい方向に進めば、長期政権を実現できるだけでなく、偉大な首相になる可能性もある。
安倍晋三首相が8月28日、辞意を表明した。これを受けて、次期首相をめぐる争いが活発化している。一方、世界を見ると、「米中覇権戦争」がますます激しさを増している。「激動の時代」の新リーダーにふさわしいのは、誰なのだろうか。
マイク・ポンペオ米国務長官は7月23日、中国との対決姿勢を鮮明にした演説を行うなど、米国と中国は急速に悪化し「戦闘のない戦争」状態にまで発展している。今後、日本はどうすべきか。
米国ミネアポリスで、黒人のジョージ・フロイドが白人警官に殺された事件をきっかけに、全米で「反人種差別デモ」が起こった。デモ参加者の一部は暴徒化し、破壊、略奪を行っている。「軍を投入してデモを鎮圧する」と宣言したトランプ。米国は、これからどうなっていくのだろうか?また、これを批判する中国は国際社会で優位になるのであろうか?
閉じこもり生活でも心の健康を保つための「あなたの課題」整理法
前回コラム「コロナによる閉じこもり生活は、人の心を痛めつける」では、閉じこもり生活が、世界各地でどのように人の心を痛め社会問題化しているかについて客観的事実をお伝えしました。これに対し本稿では、こうした心の健康に影響を与える要因を整理し(原因を知る)、その悪化を抑えるために筆者も含め一般市民ができることを取捨選択する方法と1つの対処法をお伝えします。
不安、イライラ、怒り、ヒステリー…外出・移動・仕事等の制限が、人の心に悪影響をもたらすことは、多くの学術研究や民間調査が指摘するところであり、パリで1カ月以上の軟禁生活の渦中にいる筆者の実感でもあります。今回のコロナ渦のさなか、世界各地でアルコールやタバコへの依存、DV、児童虐待、自殺の増加が懸念されています。これは日本でも目をつむっていられない問題です。本稿では、難禁生活の長期化が人々の心をどう悪化させるか、その結果どのような社会問題が起きているかについてフランスを中心に客観的事実をお伝えします。
今年に入って、人類史に必ず残るだろう災厄が出現した。新型コロナウイルスである。一方、2018年からは米中覇権戦争が勃発している。コロナは、この米中戦争の情報戦に使える「最高のネタ」になっている。かつて、チェルノブイリ事故を隠蔽して国際的に非難されたソ連は、5年後に崩壊した。コロナは中国共産党にとっての「チェルノブイリ」になる可能性がある。