レジリエンスという言葉の定義は広く、いまでは「複雑な変化への適応能力」とされることもある。すなわち、すべてのビジネスリーダーにとって必須と言っても過言ではない。では、どうすればレジリエンスを強化できるのか。本記事では、そのための4つの戦略が提唱される。


「レジリエンス(回復力)」というとつい、大きな困難から立ち直る力を想像する。だが経営理論の分野ではこのところ、もう少し含みのある定義が提唱されるようになってきている。レジリエンスとは、「複雑な変化への適応能力」だというのだ。

 となると今日の世界では、レジリエンスがほぼ恒常的に必要になる。問題は切れ目なく怒濤のごとく押し寄せ、組織において一貫しているのは変化だけという状況で、リーダーは継続的なスキルとして、レジリエンスを培う必要がある。手痛い失敗や大きな変化といった、「決定的瞬間」に限ったことではないのである。

 私は、大きな変化の渦中にある最高幹部たちを30年以上支えてきた経験から、レジリエンスを強くするのに有効な戦略が4つあることに気づいた。

 ここでの提言はリーダー167人を対象とした緻密な研究に基づいている。その研究から、レジリエンスの高いリーダーたちは、自分をよく知っていることが明らかになっている。自分の強みが何であり、それが何によって引き出されるか、何を強く信じているかをよく自覚しているのである。

 このように自分をより深く知ることで、いかにレジリエンスを強くできるかを、以下に紹介する。