育児休業後に仕事を再開するのは簡単ではない。現場を長期間離れたという理由だけでなく、あなた自身が以前とはまったく違う状態におかれているからだ。肉体的にも精神的にも多くのサポートを必要とするなか、どうすればスムーズな職場復帰を果たすことができるのか。筆者は8つのアドバイスを提示する。


 育児休業後に職場に復帰するのは、容易ではない。

 職場での仕事の流れから数週間あるいは数ヵ月間離れていたわけだし、あなた自身が以前のあなたではない。優先順位が違い、関心事も変わった(一日中続く慣れないロジスティクスのストレスと緊張は言うまでもない)。思い通りにいかないことばかりで、往々にして圧倒される。

 そこで、職場に復帰した最初の数週間を、できる限り円滑なものとするにはどうすればよいだろうか。自分で選べるとしたら、徐々に本腰を入れたほうがよいのか、それともただちに飛び込んだほうがよいのか。上司や同僚との関係はどのように築くべきか。そして、おそらく最も重要なこととして、この時期に必要な感情面のサポートと励ましを、どこから得られるだろうか。

 ●専門家の意見

 働く親とその雇用主のためのコンサルティング会社、ワークペアレントの創設者兼CEOであるデイジー・ウェイドマン・ダウリングは、生まれた子どもと自宅で過ごした後に職場復帰することは、「他とはまったく異なる変化」であると語る。「何もかもが変化しています。あなたの日々のスケジュールから、親としての新たな責任、そして自分のアイデンティティ、すなわち大人になってからずっと自分をどうとらえてきたかまで」

 この変化のプレッシャーに加えて、「あまりよく寝ないかもしれない、小さな人間の世話をしているわけです」。それは「肉体的・精神的に大変な調整」を要すると、カーネギーメロン大学の組織行動学・公共政策の教授、デニース・ルソーは付け加えている

「子どもを預ける心の準備があなたにはできていないかもしれません」と、彼女は言う。もしかしたら、仕事に戻るという決定に、そもそも罪悪感すら持っているかもしれない。もちろん「これは誰もが経験すること」なのだが、だからといって「圧倒される状況が軽減されることなどありません」。

 職場復帰は大変なことであり、万全な道などない。「自分は一歩ずつ歩いていける」と信じることだとルソーは言う。そして、そのやり方はたくさんあると知ることだ。

 以下に、仕事に復帰した最初の数週間をいかに切り抜けるかについて、いくつかアドバイスを示す。