35億円超の資金調達も実現、持続可能な公共的なインフラを目指して
「TOKIUMインボイス」には黒﨑代表をはじめ、TOKIUM社員の熱い思いが込められている。きっかけはコロナ禍だったと黒﨑社長は振り返る。
「コロナ禍でリモートワークが普及する中、お客さまの会社に電話をすると経理の方の多くが出社していました。請求書が会社に届くので、出社しないわけにいかないのです。
当時、交通機関や医師など社会インフラを支えるエッセンシャルワーカーが注目されていましたが、ある経理担当の方は、自分たちも社会基盤を支えるために必要不可欠な仕事に従事する労働者なのだと話されていました。この方々を支援するためには何ができるのかを懸命に考え、経理の方の声を形にしたのが『TOKIUMインボイス』なのです」
さらに、今後の新サービスの開発展望について、黒﨑代表はBSM(BusinessSpendManagement:企業の支出管理)領域のプラットフォーム構想の実現に踏み出した(図4)。経費精算クラウド「TOKIUM経費精算」と請求書受領クラウド「TOKIUMインボイス」を事業に加え、新たなプロダクトを開発することで、「支出の全てを管理できる仕組みを作り、そのオペレーションを担うことで、クラウドの中に支払いという『会社の意思決定データ』がたまっていきます。そのデータを分析・活用することで、企業の正しい意志決定に貢献できるのではないでしょうか」。
図4「BSM(Business Spend Manegement:企業の支出管理)領域のプラットフォーム構想」
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筑波大学在学中の2012年にTOKIUMを創業。改正電子帳簿保存法やインボイス制度への対応、働き方改革やDXの推進など法人の支出管理業務における課題解決に取り組む。
黒﨑代表は「経理が止まると企業活動が止まる。だから公共インフラのつもりでサービスを作る」という強い志をもって事業を立ち上げた。その志と大企業にも採用されている各サービスが評価されて、21年12月から22年1月にかけて、JICベンチャー・グロース・インベストメンツ、インキュベイトファンド、ジャフコ グループ等を引受先とする35億円超の資金調達が実現した。同社のサービスを利用する企業も1000社を超えている。しかも、長期利用を前提とした「“景気非敏感”のインフラサービス」(黒﨑代表)なので経営の安定に寄与している。
黒﨑代表とTOKIUMの「支払い」を巡る挑戦は続く。
株式会社TOKIUM
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