日米ともに9割がその効果を実感

そんなアメリカの状況に比べて、日本でのホームステージングの認知度は、中古住宅市場が約25%とまだまだ小さいこともあり、業界限定的だ。

日本ホームステージング協会が、ホームステージングを導入している全国の不動産関連会社やホームステージングを提供する会社などを対象に毎年行っている実態調査の結果をまとめた「ホームステージング白書2022」によれば、76%が「ホームステージングによって内覧者数が増え、79%が「成約までの期間が短くなった」と回答(グラフ5)。ホームステージングを実施した場合の成約までの平均期間については、「3カ月以内」が8割を占めた。ホームステージング実施時の販売期間については、実施しなかった場合に比べて、マンションで約2分の1、戸建てで約5分の1にまで短縮されるとも言われている。

こうした結果から、日本でもアメリカ同様に9割がその有用性を認めている。白書では、「売却困難な物件」「長期売却できない物件」にホームステージングを実施し、67%が平均2カ月で成約になっているという。ホームステージングを導入することで、不動産流通に大きな効果があることは確かなようだ。

データで読み解くホームステージングの有用性 日本の中古住宅市場拡大へ日々進化するテクノロジーによって、ホームステージングされた物件のバーチャル内覧はより精密に、より身近になっていくだろう

こうしたホームステージングの効果が認知されるようになった結果、実施件数について6割が昨年よりも増えたと回答している。都市部だけでなく、ほぼ全ての地方都市でも実施されるようになった。また、居住中のホームステージングについて、売主に喜ばれるサービスであると69%の回答があったことから、その効果を知った売主を通じてホームステージングが広く一般に知られていく将来像も見えてくる。白書は、22年をホームステージング業界成長の年と位置付けた。