衛星の撮影データをAI画像認識技術で解析

しかし、「at PORT」には、衛星が読み取った地上のデータをAI画像認識技術によって解析した膨大な駐車場情報が蓄積されている。

「例えば、地面にナンバリングされていたり、白線やロープが引いてあったりする区画を駐車場として認識し、当社独自の駐車場データとして蓄積しています。そこが一般向けに貸し出していない車室であっても、データとしては存在するので、お客さまが必要とするなら駐車場オーナーさまと交渉することができるのです」と藤林氏は語る。

それだけなら、Googleマップの航空写真やゼンリンの住宅地図データでも対応できるかもしれないが、同社のAI画像認識技術は、「区画の大きさや段差を30センチメートル単位で把握することができるので、大型車が何台、小型車が何台止められるということまでわかります。変形地で使いづらいとか、あまり管理が行き届いていないという、駐車場の営業マンが目視で得たような情報まで収集できます」。

建設業であれば、車両の大きさや重さ、運搬物の内容、目の前の道路の道幅、現場の作業に見合ったスペースを考慮した区画の情報が求められる。単に「そこに駐車場がある」だけではだめなのだ。

企業が求める駐車場の区画を「宇宙」から「AI」で見つける

同社は、他にも、配達、引越、ハウスクリーニング、ハウスリフォームなどの事業者向けに、現場近くの駐車場をアプリで簡単に確保できる「PIT PORT(ピットポート)」、監視カメラ×AIモニタリングシステムにより異常を検知して撮影し、報告することで駐車場管理業務の自動化を実現する「AIMO(アイモ)」、仲介業務のデジタル化を行う「SYNC PORT(シンクポート)」などのサービスを提供している。これだけのプロダクトやサービスをたった2年でつくり上げるスピード感が同社の強みであり、業界の課題を総合的に解決しようとする思いの表れでもある。