創業当初から入居審査を一部自動化

不動産(Real estate)ビジネスをマネジメントする(Management)

徹底した業務分析により最適化されたDXを実現し顧客の成長に寄与するアールエムトラスト
代表取締役
松島 億

ことで、顧客の信頼(Trust)に応える──そんな理念を社名に刻んだアールエムトラスト。2008年に家賃保証会社として創業した同社は、大手不動産管理会社との提携で飛躍の足がかりをつかみ、顧客のさまざまなニーズに応えながら規模を拡大してきた。

現在、東急グループが関西以西で管理する全室、および大和リビングが所有する全国約65万室のうち関東エリアの家賃保証を担う。後者については、家賃保証のみならず、新規契約・更新・退去に関わる契約書をはじめとする書類の発送業務を一手に受託。そうした不動産管理に関わる諸業務を支援するBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)事業が、ここ3~4年で急速に伸びている。

その背景について、同社代表取締役の松島億氏は「コロナ禍の下、筋肉質な経営への転換が急務となった大手不動産会社にとって、当社のBPOが一つのソリューションになっているのではないか」と分析。ITやDXの導入による業務の省力化・効率化は、同社が得意とするところであり、そうした強みが不動産管理会社の信頼につながっている。

同社では、創業直後から入居審査の一部を自動化するなど、IT化による業務の効率化に意欲的に取り組んできた。

その先見性は、松島氏の経歴と無関係ではない。今から二十数年前、全国25万社の不動産店が集う宅建協会で共済事業の全国展開を指揮した後、不動産投資インデックスの情報提供を行うグローバル企業に転職。日本ではまだ普及していなかった不動産証券化ビジネスに関わることで、「電話とFAX」で回っている日本の不動産業界の“周回遅れ感”を痛感したという。

「当時から、欧米では賃料収入などあらゆる情報がデータ化され、ビル1棟の利回りがすぐに計算できるようになっていました。かたや日本では、ようやくJ‒REIT(不動産投資信託)が上場されるというタイミングで、まだまだ業務のシステム化やデータ分析というものが浸透していなかった。しかし、不動産の金融商品化が進む上で、あらゆる面でのデジタル化は避けられません。そこに大きな商機を感じて、不動産周辺ビジネスの支援を行うべく当社を創業し、デジタル化・自動化を推し進めてきたわけです」