ルールベースを採用することで、AIの学習に要する時間やコストは最小限
作業員の危険な動きを検知するソリューションには、IoTデバイスとしてセンサーを使用するものもあるが、「『ADDSAFE』のようにカメラを使うことで、センサー一つ一つでは検知できないような、細かな人の危険行動を検知することができるため、事故を回避しやすいと考えます。また、センサーの場合、設備ごとに設置工事が必要になるため容易に増設できない場合がありますが、ADDSAFEの場合は、既設設備への改造は不要でカメラを設置するだけですぐに使うことができます」と松島プロダクトオーナーは語る。
松島克典 FORXAI事業統括部 ソリューション事業推進センター
スマートファクトリー事業推進部 開発グループ ADDSAFEプロダクトオーナー
また、作業員が自分の体に装着するウエアラブル型のセンサーもあるが、転倒などの動きは検知できても、「どこで転んだのか?」という検知場所までは特定できない。その点、カメラなら位置も含めた状況把握ができる。
「カメラの利点は、異常発生の前後を録画できるので、原因や発生後の作業員の状況まで確認できることです。録画をしておけば、安全教育用の教材として利用することも可能で、言葉の壁があり教育が難しい状況においても有効であると考えます」(松島プロダクトオーナー)
カメラで撮影した映像を、「ADDSAFE」用に開発された画像AIを含むソフトウエアで解析する。このソフトウエアでは、人物を認識するだけでなく、手や足など身体の部位18点を検出することができ、エリアを設定することで「稼働中の機械へ手を近づけたらアラートを鳴らす」「危険箇所へ足を踏み入れたら回転灯を回す」といったように、さまざまな発報をすることができる。
「足を踏み入れてはいけない場所に手を入れても発報はされないので、過分な制止を避けることができます。ちなみに、全ての動きをAIに学習させるのではなく、ルールベースで制御するので、学習に要する時間やコストは最小限に抑えられます」と松島プロダクトオーナー。
もう一つ、「ADDSAFE」の大きな特長として松島プロダクトオーナーが挙げるのが、作業員のプライバシーに配慮した運用が行える点だ。常時カメラで撮影され、録画されるとなると、平穏に行動できなくなる作業員もいるはずだが、撮像された人物にモザイクをかけるなどの画像処理によって、個人情報保護に配慮した映像記録にも対応している。
「『人と機械が意識せず、協働する』という理想を実現するため、プライバシー保護には細心の注意を払っています」と、京尾部長は強調する。
「ADDSAFE」は労災事故が特に多い食品メーカーをはじめ、多くの製造業からすでに引き合いが来ているそうだ。
京尾部長は、今後の展開について「安全・安心に加え、生産性向上、品質向上の三つの課題を解決するソリューションを開発し、お客さまのスマートファクトリー実現に貢献していきたい」と結んだ。
コニカミノルタは、7月24~26日に東京ビッグサイトで開催される「労働安全衛生展」に「ADDSAFE」を出展予定である。ソリューションの詳細が分かるデモンストレーションも行うとのこと。一度体験してみてはいかがだろうか。
労働安全衛生展 Webサイト:
https://www.jma-stt.com/
ADDSAFE Webサイト:
https://abbr.konicaminolta.com/Addsafe
コニカミノルタ株式会社
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