性能にバラつきがある
アルコール検知器

2023年12月に「白ナンバー」事業者にもアルコール検知器を使ったドライバーの酒気帯び検査が義務化されて以来、数多くの製品が市場に出回るようになった。

「業界団体であるアルコール検知器協議会に会員登録するメーカーの製品だけでも70種類以上、それ以外も含めると200種類以上もの製品が流通しています。ただし、全ての製品が法令にのっとったアルコールチェックに適しているかというと、必ずしもそうとは言い切れません」

そう語るのは、アルコール検知器の開発・製造で22年の実績がある自動車関連用品メーカー・商社、中央自動車工業の酒井規光取締役・統括部長だ(以下、全ての発言は酒井取締役)。

市場に出回る製品の中には、飲酒していないのにアルコールを検知したり、飲んでいるのに全く反応しなかったりと、正確性が疑われる製品が多く含まれているようだ。

「お酒を飲んでも反応しなかったり、商品開封時や短期間で精度に問題が発生し、使用できなくなる製品も見受けられます。一概には言えませんが、1台~3000円程度の安価なアルコール検知器の中に、信頼性の乏しい製品が含まれているようです」

検知精度に問題のある製品を扱うメーカーは、アフターサービスも不十分であることが多い。

「ネットで購入した製品の交換をオンラインでリクエストしても、全く返事がなかったり、代わりに届いた製品も、全く使えないものだったりすることがあるようです。そもそも、『白ナンバー』事業者がドライバーの酒気帯びをチェックするためのアルコール検知器は、会社が法令をしっかりと順守し、社会的責任を果たすために欠かせないもの。曖昧な検査結果しか出ない製品を使うことは、会社の信頼を著しく損ねることにつながりかねません」