ビジネスモデルを可視化することで、直感的な理解を助ける「ピクト図解」。前回紹介したビジネスモデル・キャンバスと組み合わせれば、複雑な事業構造であっても容易に全体像を俯瞰できるという。今回は「ピクト図解」考案者に、ピクト図の描き方とビジネスモデルのパターンを紹介いただく。連載第2回。

前回は、「ビジネスモデル・キャンバス」と「ピクト図解」の2つをセットで使うことで、ビジネスモデルが把握しやすくなることをご紹介しました。具体例としてアップル社のiPod / iTunes のビジネスモデルを解説しました。この方法を用いれば、iPodのようなハードウエア、ソフトウエア、サービスが三位一体となった「複雑な事業構造」のビジネスモデルでも容易に把握することができるようになります。ビジネスモデル・キャンバスとピクト図解の対応関係を示したのが【図1】です。ピクト図解を使えば、ビジネスモデル・キャンバスの9つのブロックをグラフィカルに可視化できます。  

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【図1】 「ビジネスモデル・キャンバス」と「ピクト図解」を2つセットで使う

 ビジネスモデル・キャンバスの使い方は前回ご紹介しましたので、今回はピクト図解の使い方を解説します。
 ピクト図解は、シンプルな表記ルールによって、ビジネスモデルをひと目で直感的に理解できる図に可視化するツールです。ピクト図解メソッドを身に付けると、ビジネスモデル・キャンバスはもちろん、街中で見かける様々なビジネスについて、ビジネスモデル図をぱっと頭の中でイメージできるようになります。そして、ひとたびビジネスの構造をつかめるようになれば、既存のビジネスモデルを「レゴ」ブロックのように組み合わせることで、「新しいビジネスモデル」を作ることができるようになるのです。
 ピクト図解を使った具体的なビジネスモデルのデザイン方法は追ってご紹介していきますので、まずはピクト図解の描き方を押さえてしまいましょう。