女子聖学院中学校高等学校
小宮佑介進路指導部長

「神を仰ぎ人に仕(つこ)う」という建学の精神が脈々と息づく女子聖学院中学校高等学校。社会の中で自らに与えられた使命を果たす女性の育成を目指し、生徒が将来を考える機会を豊富に提供している。これまで高校生が対象だった校内の大学説明会に、2025年度からは中学生や保護者も参加できるようになった。また、中3では新たに職業体験も実施し、さまざまな業種・業界への視野を広げていく。

「早い段階から自分がどう社会に貢献していけるかを考え、進む道を選択していってほしいと思います」と語るのは、小宮佑介教諭だ。

 高大連携にも熱心に取り組んでいる。東京女子大とは、卒業生である教授2人による出張講義や、在学生の進路体験の共有など、学問に触れる機会を設けている。24年からは芝浦工業大や東京理科大とも連携し、校内説明会などの機会を提供。一般的に女子生徒の進学比率が低いとされる理系分野への進路選択も、より現実的に思い描けるようにした。25年1月には、東邦大看護学部と高大連携協定を締結。今後は、看護や地域医療の現場を体験する機会も用意されるという。「東邦大看護学部には、本校の卒業生が多数進学していて、『リーダーシップや協調性に優れている』とよく評価していただきます。それがご縁で、今回の連携に至りました」と小宮教諭はほほ笑む。

「学び合い」で受験勉強
仲間と高め合い志望校へ

 25年3月の卒業生は、学年の約5割が一般入試に挑戦。筑波大、埼玉大といった国立大学のほか、慶應義塾大、早稲田大、国際基督教大、上智大などの難関私大、さらには中国・深せん大など海外名門大学への合格者も出している。

 その背景には、同じ課題を持つ仲間同士が支え合う「ピアサポートコミュニティ」の存在が欠かせない。夏休みなどの授業時間外に、仲間と受験勉強に取り組み、分からないところは教え合う。推薦などで進学先が決まった生徒も参加し、互いを高め合っていく。時には卒業生が激励に訪れ、勉強法や心の持ちようをアドバイスしてくれたこともあった。学校全体に、目標に向かって共に支え合い、努力していく雰囲気が満ちている。

「難関校に入れるかどうかより、生徒本人が『ここに行きたい』と思える進路を実現するかが大切なのです。私たちは、生徒がそれを見つけるまで“待つ”ことを大事にしています」と話すのは、広報室長の大津佑万(ゆうま)教諭。目標を他者と共有し、互いを高め合いながら歩む姿勢が、同校の教育の根幹を成している。

 教育目標は「Be a Messenger」。「他者と共に知を探究していく中で、自分なりの言葉や考えが生まれてきます。それを携えて、社会に貢献していける人になってほしいのです」と、期待を寄せる大津教諭。未来を担う若者たちの確かな歩みが、ここから始まっている。

「ピアサポートコミュニティ」では、大学入試の英語の過去問にも挑戦。推薦で進学先が決まった生徒も、高校生活の最後まで英語力を高める
●問い合わせ先
女子聖学院中学校高等学校
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TEL:03-3917-2277
URL:https://www.joshiseigakuin.ed.jp/