
江藤 健教頭
近年、生徒数が増えている中村中学校・高等学校。2025年春の卒業生は、まだ生徒が少なかった代だが、大学入試では健闘した。
「海外大学の合格者が出たほか、GMARCHレベルに進学する生徒も多数出ました。日東駒専以上の大学に進学した生徒でいうと、全体の5割超に上りました。年によってバラツキがあるのですが、過去には東大をはじめ、早慶上智ICUなどへの進学者も出ています。今後は安定的に、より一層多くの生徒が希望の進路に進めるよう、学校としても力を入れていきたいですね」
そう語るのは、江藤健教頭だ。
すでに大学受験のサポート体制は手厚く、総合型選抜や学校推薦型選抜を受ける生徒には、クラス担任とは別に担当教員が付くキャリアサポーター制度を導入。エントリーシートや小論文の指導、面接練習などに対応し、生徒と二人三脚で合格を目指す。「小規模校だからこそ生徒と教員の距離が近く、じっくり向き合えるのが本校の強みです」と江藤教頭は話す。
受験を意識する前段階から、中村は生徒にしっかり勉強させる学校でもある。
「どの教科も宿題・課題は割と多いですね。大変そうだと思われるかもしれませんが、外部の塾などに通わなくても、課題に地道に取り組んでいくだけで確実に学力が積み上がるよう考慮しています」(江藤教頭)
江藤教頭の言葉にある通り、学校で学びを完結できるようにすることが同校の目指すところ。必要十分な課題を出すだけでなく、自学習する場と環境を整えるべく自学自習スペース「My Growing Tree」を開設した。全学年の生徒が利用でき、放課後から夜8時まで開放されているので、学校で宿題を終わらせ、家でゆっくりする生徒も増えている。「通常5人以上、テスト前には10人以上のチューターが常駐しているので、随時、質問が可能です。チューターの中には本校の卒業生もいるので、先輩に進路相談する生徒もいますね」(江藤教頭)。
手帳での自己管理を推奨
主体的な学びの促進へ
課題にテストにと、多忙な生徒たちに自己管理を促すため、同校では手帳教材を導入している。
「勉強の予定や学習記録、その週の振り返りなどを記入し、週に1回担任に提出するルールにしています。定期的にチェックすることで、自己管理を習慣付け、振り返りできるようにすることを目的にしています」(江藤教頭)
自己管理が身に付けば、学びへの主体性は増す。実際、入学後に主体的に学ぶ習慣が付いてから、がぜん伸びる生徒は多い。「中学入試では繰り上げ合格だった生徒が6年間でグンと成長し、難関大に進むパターンも珍しくありません」と江藤教頭。
手を差し伸べ過ぎず、見守りながら自主性を伸ばしていく方針の中村で学び、生徒たちは伸びやかに成長していく。
