
宮窪克也教頭
学園キャンパスには、緑豊かな自然と長い歴史が織り成す穏やかな空気が流れている。1881年創立、東京家政大学附属女子中学校・高等学校は都内屈指の女子伝統校だ。「自主自律」を建学の精神に、学ぶことへの興味を育て、未来を創造する学びに主眼を置く。
「自主自律の精神は現代に真に求められる力。附属校としての良さを最大限に生かしながら日々の教育活動で実践しています」と宮窪克也教頭は語る。
例を挙げれば中2の「Creative Learning」は、学ぶことの意味を考え、創造性を育む“中大連携”の体験的な学習プログラム。2024年度は同じキャンパス内にある東京家政大学のピザ窯を活用し、「ピザを焼く」をテーマに教科横断で多角的に学んだ。家庭科での調理実習をはじめ、ピザ窯の構造について大学の教授に学び、理科で生地を発酵させる酵母菌を培養し、数学でピザを入れる箱を設計したり、国語でピザをPRするキャッチコピーを考案したりした。「生徒たちは本当に楽しそうで、積極的に行動していました。これからも私たちの生活と関わりの深い学びを展開する東京家政大学と連携しながら、生徒の探究心を刺激する授業を実践していきたい」と宮窪教頭。材料の買い出しでは物価高を実感し、社会の動きに敏感になるなど生きた学びを体得。生徒の知的好奇心や主体性が大いに刺激されたようだ。
世界とつながる探究学習
海外への進学も視野に
25年度から新たな探究活動も始まった。世界とのつながりの中で自分の役割を考える「グローバル・コンピテンス・プログラム(GCP)」だ。ネイティブ教員と日本人教員によるチームティーチングで、中1から中3まで継続して行うという。グローバルなテーマを扱うだけでなく、相互理解と自ら考え行動する力を高め、多様な視点で社会課題を探究していくプログラム。「世界への興味・関心を育み、海外に挑戦する機会へとつなげたい」と宮窪教頭は話す。
さらに25年度から、高校でコース制を導入した。国公立・難関私立大学への進学を目指す「Super Advanced(SA)コース」と、内部推薦・中堅私立大学への進学を目指す「Creative Learning(CL)コース」だ。6年間でさまざまな体験を重ねる中で、自分だけの明確な目標を見つける生徒が多い同校。その背景には、自分が思い描く“理想の25歳”に出会うためのキャリア教育「ヴァンサンカン・プラン」もある。作文、エゴグラム診断、ボランティア体験などを盛り込んだ体系的なプログラムで、自分の未来とじっくり向き合うことができる。
「どのような進路であれ、生徒が夢を実現させることができるよう、しっかりサポートします」と語る宮窪教頭。温かい校風の中で、“理想の自分”への道を後押ししてくれるキャンパスだ。

東京家政大学附属女子中学校・高等学校
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