
原田 豊校長
武蔵野大学中学校・高等学校は、2019年以降の学校改革によるカリキュラムの刷新や進学実績の向上などから、人気が上昇している注目校。同年に中学に入学し、6年学んだ学年が挑んだ25年春の大学入試結果は、国公立や早慶上理ICU、GMARCH、さらに医学・薬学部を加えた難関大の合格者は100人を超え、実に全体の33%となり、昨年度より14%も増加するという大躍進ぶりで、改革の成果を証明した。
「大学入試で年々増加している総合型選抜では、論理的思考力や思考を言語化する力といった、いわゆる非認知能力が必須とされます。本校が力を入れる探究学習は、まさにそうした力の向上を目指すもの。実際、難関大の合格者には総合型選抜を勝ち抜いた生徒が多くいました」と話すのは、原田豊校長。
同校の代表的な探究学習といえば、中学で実施するオリジナル授業の「言語活動」だ。ノートの取り方から始まり、マインドマップ、チャートなどで自分の考えを言語化する方法を習得。さらに、考えたことをプレゼンして伝えるスキルも身に付ける。高校でも「MAP(Musashino Arts Project)」と呼ばれる探究活動を展開。企業などとタイアップして生徒たちの関心領域を広げ、得意なこと、やりたいことを見つける後押しをする。
「中高で探究学習を一つのストーリーのように紡いでいくことが生徒の非認知能力を高め、それが進学実績という形で実を結んでいます。もちろん、基礎学力を固めることは大前提ですが、その上で今後も探究学習を極めていきます」(原田校長)
時間管理の習慣化で
メタ認知能力を付ける
25年度からは生徒が自ら勉強などの時間を管理するための手帳教材「ムサログ(MUSASHINO LOGBOOK)」を本格導入した。
「生徒は予定を立てた上で毎日振り返りの時間をつくり、達成度や感想などを手帳に書き、担任に提出。担任は毎日コメントを付けて返却する仕組みとし、習慣化を図ります」(原田校長)
例えば、テスト日程から逆算して勉強の計画を立てたものの、うまくいかないこともあるだろう。「そこで何が駄目だったのか振り返り、考えるという作業が何より重要」と原田校長。
「予定を立てる⇒振り返る⇒考えて改善するというステップを繰り返すと、自分を客観的に見つめるメタ認知能力が身に付き、それが学びに対する主体性につながっていきます。『自学自習力』と呼んでいますが、この力を持って自走できる生徒を育てることが最終目標。実際に手帳を自学自習力の向上、学力の底上げにつなげている学校も多く、その効果は私も前任の学校で強く実感しています」(原田校長)
ハード面では、25年春に、図書館機能を備えた学びの施設「MUseion(エムユーセイオン)」が竣工した。新たな学びの場として活用され、今後の生徒たちの飛躍を支えていく。
