山手学院中学校・高等学校
渡辺大輝教諭

 2020年度のプログラム開始以来、非認知能力の育成を目的に国際交流やプログラミング講座などさまざまな体験の機会を提供してきた山手学院の「グローバルリーダープログラム(GLP)」。24年度は新たに、立命館アジア太平洋大学の留学生や福岡県の高校生らと共に、大分県臼杵(うすき)市で人口流出などの地域課題について考えるプログラムを実施。参加した生徒たちは地元住民や行政の声も聞きながら、地方創生のアイデアを考えた。

 GLPを担当する渡辺大輝教諭は「グローバルとローカル双方の視点を養うことを目指しています。まずは国内の身近な課題に目を向け、だんだんと世界規模の課題にもアプローチしていってほしいです」と、同プログラムの狙いを語る。

 25年度は、秋田県五城目町で国際教養大学の学生と共に新たなまちづくりを考えるプログラムや、広島県で現地の若者と共に平和について考えるプログラムも新たに実施予定で、生徒たちはますます貴重な経験を積んでいけそうだ。

 さらに25年度は、土曜日に継続的に実施する希望者向け講座も拡充。ICTを活用したスマート農業を学ぶ講座や、アートを鑑賞しながら対話し、新しい視点を見つける講座などを新設。これまでに実施してきたプログラミング講座や雑誌作り体験などの講座を含め、受講できる対象学年を従来の中3・高1から中2~高2に拡大した。

「生徒が勉強以外の活動に興味を持つタイミングはいろいろです。対象学年を広げることで、自分の興味を深められる機会をなるべく多く提供したいと思っています」(渡辺教諭)

伝統の北米研修に加え
アジアへのツアーも充実

「英語の山手」と呼ばれるほど英語教育や国際交流に伝統的に力を入れている山手学院らしく、海外でのプログラムも年々充実してきている。長年続くオーストラリアや米国、カナダでの研修に加え、近年はアジアを訪れるプログラムを増やしている。

 例えば、シンガポールでのプログラムでは、アントレプレナーシッププログラムに参加したり、隣国のマレーシアでは現地の文化に触れたりと、経済成長を遂げるアジアの空気を肌で感じてきた。24年度からは新たに台湾でのプログラムも実施。南部の港町・高雄などを訪問し、現地の文化を学んだ。25年度は韓国で現地の学生と交流し、歴史や文化を学ぶプログラムも行われる予定だ。

 25年度の中学入試では、帰国生向けの試験を初めて実施した。渡辺教諭は「英語力が高い生徒だけに来てほしいわけではなく、多様なルーツの生徒の入学を期待しています」と語る。1学年の規模は中学が約200人、高校が約500人と大きく、その分いろいろな個性を持った生徒が集まる山手学院。多彩なプログラムも相まって、どんな生徒も生き生きと成長できる場を提供している。

大分県臼杵市でのプログラムでは、海外からの留学生と一緒に自然を満喫。川遊びで打ち解ける機会もあり、地元の魅力を発見した
●問い合わせ先
山手学院中学校・高等学校
〒247-0013 神奈川県横浜市栄区上郷町460
TEL:045-891-2111
URL:https://www.yamate-gakuin.ac.jp/