
中村圭吾校長
京華中学・高等学校の中村圭吾・新校長は、京華の教育の特徴を「人としての在り方を教えること」だと語る。そのスタートは中学1年の4月。最初の1週間~1学期を「黄金の時間」と捉え、生活の基本から丁寧に教えていく。「勉強よりもまずは人間関係。教員との信頼関係がなければ、どんな指導も届きません。そのために大切にしているのは、生徒一人一人に誠実に向き合う姿勢です。たとえ忙しいときでも、“後で”ではなく“今その場で”話を聞く。そうした積み重ねが、信頼という土台を築いていきます。男子校には互いに切磋琢磨する文化があり、時に強く、時に引いて見守る必要がある。その駆け引きを通して、男子が持つ大きなエネルギーをプラスの方向に導いていきたいと考えています」。
国際的な視野を育むためのスタディーツアーにも力を入れている。タイ・ベトナム・シンガポールなどへの海外研修では、語学の習得以上に「世界の熱量に触れること」「異文化の中で自分を見つめ直すこと」を目的とする。「たとえ1週間のツアーでも生徒の中で何かが変わる。その体験を自分の将来を考えるきっかけにしてほしい」と中村校長は期待する。
他者の立場を想像して
寄り添う力が育まれる
京華女子中学・高等学校は、女子だけの空間で学ぶからこそ得られる「安心感」と「自由なチャレンジ精神」を教育の柱にしている。「その“安心感”が、生徒一人一人の表現力や挑戦意欲を引き出しています」と語るのは、山中秀樹校長。
代表的なものが、「京華女子チャレンジ」という取り組みだ。これは生徒自身がやってみたいことを見つけ、実行して成果を共有する自主的なプロジェクト。2024年度は「世界合同プレゼンテーション」に参加した2チームが、ジェンダーの問題やヘアドネーションについて英語で発表し、2位と3位に入賞した。活動の企画から調査、発表準備までを、全て自分たちで進めたという。
日々の授業では「共感力」を育むことが強く意識されている。
「発表の場面で苦手な生徒がいれば、自然と“頑張って”と声が掛かる。ただの優しさではなく、他者の立場を想像して寄り添う力が養われている証拠だと思います。学年縦割りの『総合ゼミ』では、中1から中3までが交ざり合って活動。年齢の違う仲間と関わり合う中で、相手に合わせて行動する力や自分の思いを伝える力を培っていきます」
語学教育にも特色がある。英語に加えて中国語・フランス語から一つを選択し、週1回の授業で3年間学ぶ。英検準2級の取得を目指す独自のプログラムも導入されており、国際社会でのコミュニケーション力を高める工夫を随所に施している。チャレンジを後押しする文化と共感力を育てる環境が生徒の成長をしっかり支えている。

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