青山学院大学系属 浦和ルーテル学院小・中・高等学校
福島宏政理事長・学校長

 1953年、米国ルーテル教会ミズーリ派によって設立された小学校が、浦和ルーテル学院の歴史の始まりだ。以来、「神と人とを愛する人間。神と人とに愛される人間。」という建学の精神を受け継いだ教育を実践。中高共に1学年75人程度の少人数制で、「神様からのギフト」である一人一人の才能や個性を開花させる「ギフト教育」を行っている。

 福島宏政校長は「少人数故、教員も生徒一人一人の個性を熟知しています。それぞれが与えられた良いところを伸ばしていけるようサポートしていくのが、私たち教員の役目です」と語る。

 近年はICT化、図書館のリニューアル、国際交流、教員の指導力向上の四つの「アップデートプログラム」で教育内容の充実を図っている。

 2024年度は国際教育の機会をさらに拡充。中3~高2を対象に行ってきた米国研修に加え、小5~中2向けのオーストラリアでの研修を新たに実施。同じミッション系大学での英語体験、アボリジニの人々との交流、ホームステイなどを通じ、異文化理解を深めた。「低学年の生徒の場合、英語力はまだまだですが、先入観にとらわれず、臆せずコミュニケーションを取っていました。低学年のうちに海外に行くことには大きな意味があります」(福島校長)。

 そして、探究学習にも力を入れる。中学では、アーツ、イングリッシュ、サイエンスの3分野に分かれ、興味のある分野を探究する「フィールドプログラム」を実施。世界遺産検定や数検に挑戦したり、海外研修を企画したりと、その内容は多彩だ。25年度は新たに中3が広島での平和学習も行う。「生徒たちは普段の礼拝や聖書の時間を通して、平和の大切さを学んでいますが、実際に悲惨な過去を学び、平和の尊さを実感できる機会になればと思っています」(福島校長)。

青山学院大の推薦枠拡大
教員の指導力向上にも力

 25年度の中1からは、青山学院大学系属校推薦入学の枠が大幅に拡大予定。成績の基準を満たして同大への推薦を得たい生徒はもちろん、他大学を受験したい生徒も含めて進路希望をかなえるため、教員たちは学習指導に熱心に取り組んでいる。

 長期休暇中に、高3向けに開講する受験講座や外部模試の対策といった学習指導も充実。受験講座は受講者が1人でもいれば開講するなど、きめ細かいサポートが魅力だ。

 教員の指導力を高める研修にも力を入れる。外部講師による各教科共通の指導法に関する研修、国語や数学といった教科ごとの専門性を高める研修を継続的に実施。それぞれの教員が日々の授業力を磨いている。「同じ建物内にある小中高共に、愛や平和を大切にする教育に共感する家庭で育ってきた、穏やかで優しい生徒が多いです」と福島校長。アットホームな雰囲気の中で、一人一人の「ギフト」が開花していく。

オーストラリア研修は1週間ほど。身に付けた英語力を生かし、現地の人々との交流や異文化理解を体験する
●問い合わせ先
青山学院大学系属 浦和ルーテル学院中学校・高等学校
〒336-0974 埼玉県さいたま市緑区大崎3642
TEL:048-711-8221
URL:https://www.uls.ed.jp/js/