神奈川大学附属中・高等学校
馬場有希子副校長

 神奈川大学附属は、大学附属校にして、れっきとした進学校だ。

「生徒たちは互いに刺激し合いながら高みを目指しています」と語るのは、馬場有希子副校長。

 2025年春の大学入試結果は、東大はじめ難関国立大に23人が合格、国公私立の医学部医学科に7人、早慶上理143人など華々しい実績を残した。今回特徴的だったのは京大(4人合格)、東北大(6人合格)といった地方の難関国立大の合格者が増えた点。同校が力を注ぐ探究、「なりたい自分に出会う」を目標に、大学・企業訪問など多彩な活動を行うプロジェクトが、進路選択の多様化に一役買っている。

 海外大にも7人が合格している。世界に60以上の提携大を持ち、海外大学推薦制度にも力を入れている同校の「生徒たちの未来への選択肢の幅を広げる」努力が功を奏しているといえそうだ。

 同校では生徒や保護者に「塾に行かなくても大丈夫」と伝えているという。それだけカリキュラムに自信を持っていることに加え、学校完結型・自律型の学習環境が整備されているのだ。

先輩に引き上げられて
後輩たちも成長していく

「例えば、放課後自習室学習支援プログラムでは、一つの校舎を丸ごと自習室として生徒に開放しています。部活後に寄って宿題や復習に取り組む生徒や、テスト対策、受験勉強に励む高校生も多くいます。外が真っ暗になっても自習室は大盛況、という状況はよく見られます」と馬場副校長は語る。

 卒業生(大学生・大学院生)メインのTeaching Assistant(TA)が常駐し、随時質問もできる。少し年の離れた先輩TAに、進路相談する生徒も多い。

「中高6年間、部活や行事において下級生は先輩の姿に学び、上級生は後輩をサポートするという形で交流があります。生徒たちも相談内容によっては、私たち教員以上に先輩を頼りにするところがあるのでしょう。本校は『学校が大好き』と言ってくれる生徒が多く、それは卒業生も同じで、何かと後輩のために手を貸してくれます。特に用がなくても、卒業生がこんなに遊びに来る学校は珍しいのではないでしょうか」(馬場副校長)

 同校は24年に創立40周年を迎えたが、その記念式典においても、学校生活で熱中したことを起点に起業した卒業生が講演をするなど、卒業生がさまざまな形でサポート。もちろん、在校生も有志の生徒が記念品の文具やカレンダーのデザインを考案するなど、節目の日を生徒主体で大いに盛り上げた。

 なお、25年度から40周年記念事業の一環で、制服がリニューアルされた。機能性に加え、同校の校風に合った知的さ、上品さを体現するものとなっている。新しい制服を身にまとう神奈川大学附属生は、先輩たちの後に続き、充実した学校生活の中で、未来につながる宝物を見つけていく。

自習室は中1・2が19時、中3~高1は20時、高2・3は21時まで利用でき、塾通いで“自習スペース”を確保する必要はない
●問い合わせ先
神奈川大学附属中・高等学校
〒226-0014 神奈川県横浜市緑区台村町800
TEL:045-934-6211
URL:https://www.fhs.kanagawa-u.ac.jp/