
増村 薫広報部長
共栄学園は2024年度、高校に「未来探究コース」「国際共生コース」「理数創造コース」「探究特進コース」「探究進学コース」の5コースを新設。いずれのコースにも、目まぐるしく変わる世界の中で、困難を乗り越える力を持った人材を育てたいという思いが込められている。
各コースでは、生徒一人一人の希望に応じた学びを実現。最難関国公立大学や難関私立大学の現役合格を目指して幅広い科目を学ぶ「未来探究」、英語や地歴を重点的に学ぶ「国際共生」、理系学部への進学を希望する生徒向けに実験や演習を充実させた「理数創造」など、それぞれに特色がある。
広報部長の増村薫教諭は「中高一貫生には、高校よりも先の将来を考えながら、学校生活を送ってほしい。中学3年間で育んだ興味に応えるコースを作りました」と語る。
学校全体として力を入れる「探究」は、授業内にとどまらない。高校生は授業時間外の探究活動プログラム「K-チャレンジ」に参加。テーマは「レゴ」「AI」「地政学」「ビジネスの企画立案」など多彩だ。
探究活動で取り組む課題には絶対的な正解があるわけではない。生徒たちは教員から一方的に教わるのではなく、共に学び、考えながら探究を深めていく。
レゴの活動では、最初は思い通りにコースを真っすぐ動くロボットを作れた生徒はごくわずかだったが、試行錯誤を繰り返した結果、複雑なコースもうまく進むロボットを作れるようになった。「正解のない問いに前向きに取り組んでいる生徒が多いです。勉強、課外活動などさまざまなことへのモチベーションが上がってくれるのではと期待しています」(増村教諭)。
女子バレー部が全国優勝
学校中が温かく応援
「文武両道」の教育理念の通り、生徒たちは部活動にも熱心だ。25年には、高校女子バレーボール部が「全日本バレーボール高校選手権」で全国優勝を遂げた。ほとんどの部員は、葛飾、足立、江東区などから通っており、他の生徒と同様に授業を受け、特別扱いはない。寮もなく、練習時間は限られ、体育館も他の部と交代で使うなど制約もある中、地道な練習に素直に取り組んだ努力が結実した。普段一緒に過ごしている仲間の活躍に、学校中が盛り上がり、大勢の在校生が現地での応援に駆け付けた。
「共栄学園には、他の人の価値観や頑張りを素直に認め合う雰囲気があります」と増村教諭は、校風をそう表す。その根底にあるのは、他者への誠実さを大切にする姿勢だ。建学の礎の「至誠一貫」には、「いかに困難な時代にあっても、至誠(至高の誠実さ)の心を一生涯貫く」という意味があり、その精神が学園で脈々と受け継がれてきた。
自分の興味を伸ばしながら、友人の個性も素直に認められる生徒たちは、これからも伸びやかに成長していくに違いない。
