佼成学園女子中学高等学校
榎並紳吉校長

 佼成女子では毎朝、榎並紳吉校長が校門に1時間以上も立ち、生徒に朗らかにあいさつする光景が見られる。その際、榎並校長が心掛けているのは笑顔、それに「ありがとう」の一言を添えることだ。

「笑顔があふれる学校にすることが目標です。生徒たちには楽しく学校に通ってきてほしいし、学校でいい体験をしてほしい。ありがとうの言葉を添えるのは、今日も学校に来てくれたことへの感謝、あいさつを返してくれることへの感謝。ありがとうと言われて嫌な気持ちになる人はいないだろうし、言う方も幸せになれます」。そう話す榎並校長のまなざしは優しく、アットホームな学校の雰囲気が伝わる。

 高校は以前からコース制が導入されているが、2025年度からは中学でも「リベラルアーツコース」と「グローバルコース」の2コース制を新設。前者は従来の学びをブラッシュアップしたコース。グローバルコースは、第2外国語を学ぶなど、先進的なカリキュラムとなっている。「世界とつながる体験をするため、中1で韓国、中2でフィリピン、中3でニュージーランドへの海外研修を予定。ただ、両コースとも同様に実用的な英語力を高めるプラクティカルイングリッシュを重視するほか、音楽と美術の授業をオールイングリッシュで行うイマージョン教育などを取り入れています」(榎並校長)。

主体的な活動を促す
スコレータイムを導入

 他にも佼成女子の教育にはさまざまな特色がある。複数担任で生徒を見守るチーム担任制が敷かれている点や、中間試験を行わない点はその代表例。代わりに年3回の定期試験のほか、単元テストなどを小まめに行い、それらも成績評価の対象とすることで継続的な学びを促す。

 また、授業1コマを50分ではなく45分とし、浮いた時間をまとめて「スコレータイム」に充てているのも特徴的だ。

「スコレータイムは海外の学校でよく導入されている“余暇の時間”。本校では朝のホームルームと組み合わせて毎日25分のスコレータイムを設け、生徒それぞれが自分の学びたいことに取り組んだり、探究活動のグループ発表の打ち合わせ時間に充てたりしています」(榎並校長)

 あえて自由にできる時間を設けることで、生徒たちの主体性や計画性を引き出すのが狙いだ。

 また、英検受験日の2週間前から行われる恒例の「英検まつり」の期間は、スコレータイムを活用して英単語や熟語の暗記を学習アプリで実施。共に英検に向かって努力することで、全員のモチベーションを高めていく。

「プロ講師を招いて開校する『校内予備校』でも英検対策を実施。こうした取り組みで24年度は1級に6人、準1級に37人が合格しました」(榎並校長)

 日々の生活を通じて、生徒たちは自然と一生ものの英語力を身に付けていく。

「英検まつり」は年2回実施。期間中の英語の授業では徹底して英検対策が行われ、ネイティブ教員との2次試験(面接)練習もマンツーマンで行う
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佼成学園女子中学高等学校
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