城西大学附属城西中学・高等学校
神杉旨宣(むねのり)校長

 創立以来一貫して、体験重視・教科横断型の教育を推進し、現在、これらの教育方針を現代にフィットさせた「JOSAI Future Global Leader Program」として展開している城西大学附属城西中学・高等学校。

 同校が、神杉旨宣(むねのり)校長の下、加速させているのは探究学習だ。特に高1を対象とした「BEYOND」プログラムでは、「次世代リーダーの創出」を目的とした全20コマの探究プログラムを実施。「社会貢献活動計画の策定など12個のテーマを用意し、世界の課題にチャレンジする内容です。考える力を伸ばすのはもちろん、キャリア形成の手助けや、人生を豊かにするための基盤を築くことを目指しています」と神杉校長。

 高校生の希望者には、毎週土曜日の放課後に超実践型の「αゼミ」を開催。2024年度は学校周辺で、地域との連携を深めるキャリア探究プログラムを展開し、駅前施設の活用やにぎわいの創出、学食の地域開放といった課題に取り組んだ。同ゼミ参加者で、修学旅行で訪れたことを機に岡山県高梁(たかはし)市吹屋(ふきや)地区の活性化プランに取り組んだ生徒たちは、顔料であるベンガラの生産地であることに着目し、入浴剤「吹屋ベンガラの湯」の商品化に成功。この経験を通じて地方創生への関心を深め、大学で地域貢献の普及に関わるサークルを開設した卒業生もいるという。

「課題を自ら見つけ解決策に導く活動は生徒たちの心のエンジンに火を付け、将来像やそれに沿った進路選択のきっかけにつながったのです」と神杉校長はその重要性を強調する。

国際交流や海外研修
米国高卒認定資格を用意

 国際交流プログラムも非常に充実している同校は、欧米やアジアなど7カ国に13の姉妹校・提携校を持つ。直近3年間では33人の留学生を受け入れ、城西からは1000人以上が海外に派遣された。国際クラスがなく、留学生と日常的に交流することができる環境は、生徒たちにとって大きな刺激となり、異文化理解や積極的な行動を促している。さらに、中3全員を対象としたオーストラリア海外研修では、ホームステイをしながら現地校での学びを深め、異文化に触れる貴重な経験を積む。このプログラムを通じて生徒たちは大きく成長し、語学力も向上した。23年度には英検取得率で全国私学1位を獲得している。

 日本にいながら米国の高校卒業資格を得られる「USデュアルディプロマプログラム」からは、初の修了生が誕生。進路選択の幅が一層広がった。25年春の卒業生174人が難関大学に現役合格。25年度入試からは、城西大学全学部で附属校推薦の併願利用が可能となる。「一連の教育は、生徒たちの自己肯定感を高め、豊かな人生を歩むための礎となることを目指すものです。自分と関わる全ての他者に感謝し報いる『報恩感謝』につながることを切に願っています」(神杉校長)。

中3全員が参加するオーストラリア海外研修。現地家庭にホームステイし、提携校7校に分かれ現地の中学生と一緒に授業に参加する
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城西大学附属城西中学・高等学校
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TEL:03-3973-6331
URL:https://josaigakuen.ac.jp/