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やり抜く力
【第4回】 2016年9月23日
著者・コラム紹介バックナンバー
アンジェラ・ダックワース,神崎朗子

頑張ってるのに「なぜか二流」の人はこの性格が欠けている

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世界の心理学者が長年追求してきた「人生で成功するのに最も重要なファクターは何か?」がついに研究で解明された!ビジネスリーダー、エリート学者、オリンピック選手……成功者の共通点は「才能」でも「IQ」でもなく、もうひとつの能力「グリット」だった――。これまでの能力観・教育観を180度くつがえし、世界的ベストセラーとなっている『やり抜く力 人生のあらゆる成功を決める「究極の能力」を身につける』から、その驚くべき内容を紹介する。

性格研究プロジェクトでわかった「成功する人、しない人」の違い

 1978年、科学者のウォーレン・ウィリンガムは「性格的特徴研究プロジェクト」の責任者を務めていた。青年期に見られる成功の決定要因を明らかにするための試みとしては、こんにちでも類を見ないほど野心的な研究だ。

 プロジェクトは非営利団体「教育試験サービス」(ETS)の資金提供によって運営された。ETSは、ニュージャージー州プリンストン市郊外の広大な敷地に本部を構え、統計学者や心理学者など1000名以上の科学者が、学業や仕事における成功を予測するためのテストを開発している。

 SAT(大学進学適性試験)やGRE(大学院進学適性試験)やTOEFLも、ETSが作成・実施しているテストであり、ほかにも全37科目のアドバンスト・プレイスメント・テストの作成・実施を行っている。

 つまり、「クリネックス」がティッシュの代名詞であるように、「ETS」は標準テストの代名詞なのだ。もちろん、標準テストを作成している団体はほかにもあるが、ほとんどの人は名称を挙げようと思っても、なかなか思いつかないだろう。

 ではそのETSが、標準テスト以外にどんな点を調べようとしたのだろうか?

 ウィリンガムをはじめETSの科学者たちは、高校の成績と試験のスコアだけでは、おとなになってからの成功を予測できないことを、ほかの誰よりも知り尽くしていた。実際、成績と試験のスコアがまったく同じふたりの生徒に、おとなになってから大きな差が表れるのは、よくあることだ。

 そこでウィリンガムが突きとめようとしたのは、「成績と試験のスコア以外に、将来の成功の決め手となる性格的特徴とはなにか」という問題だった。

 それを調べるため、ウィリンガムの研究チームは、数千名の生徒を対象に、高校の最終学年から5年間の追跡調査を行った。

 はじめに、各生徒の大学への入学願書、アンケート調査への回答、作文などの本人が書いた文章、インタビューの記録メモ、学校の成績表などが収集された。つぎに、それらの情報にもとづき、100項目以上もの個人的な特徴について、数値による段階評価が行われた。

 たとえば、親の職業や社会的地位などの家庭環境や、将来の職業として本人が興味を持っていることや、大学への進学希望、学生時代に達成したい目標など、さまざまな項目が網羅されていた。

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アンジェラ・ダックワース [Angela Duckworth, Ph.D.]

ペンシルベニア大学心理学部教授。近年、アメリカの教育界で重要視されている「グリット」(やり抜く力)研究の第一人者。2013年、マッカーサー賞(別名「天才賞」)受賞。教育界、ビジネス界、スポーツ界のみならず、ホワイトハウス、世界銀行、経済協力開発機構(OECD)、米国陸軍士官学校など、幅広い分野のリーダーたちから「やり抜く力」を伸ばすためのアドバイスを求められ、助言や講演を行っている。
ハーバード大学(神経生物学専攻)を優秀な成績で卒業後、マッキンゼーの経営コンサルタント職を経て、公立中学校の数学の教員となる。その後、心理科学の知見によって子どもたちのしなやかな成長を手助けすることを志し、オックスフォード大学で修士号(神経科学)、ペンシルベニア大学大学院で博士号(心理学)を取得し、心理学者となる。子どもの性格形成に関する科学と実践の発展を使命とするNPO「性格研究所」の創設者・科学部長でもある。
ダックワース教授の研究は、多数の学術専門誌のほか、「ニューヨーク・タイムズ」「フォーブス」「タイム」をはじめ一般紙誌でも広く採り上げられている。長年の研究成果をまとめた本書は、2016年5月の刊行直後から「ニューヨーク・タイムズ」のベストセラー上位にランクイン。たちまち異例のベストセラーとなり、「CBSニュース」をはじめテレビ等で大きく報じられた。TED トーク「成功のカギは、やり抜く力」の視聴回数は900万回を超える。夫とふたりの10代の娘とともにペンシルベニア州フィラデルフィア市に在住。

神崎朗子 [かんざき・あきこ]

翻訳家。上智大学文学部英文学科卒業。おもな訳書に『スタンフォードの自分を変える教室』『スタンフォードのストレスを力に変える教科書』『フランス人は10着しか服を持たない』『申し訳ない、御社をつぶしたのは私です。』(以上、大和書房)などがある。
 


やり抜く力

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