ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
中国ECビジネスレポート 齋藤 勉

影響を受けたショップの抗議デモまで発生!
中国最大のECモール「タオバオ」が
新検索アルゴリズム導入にこめた“決意”

齋藤 勉 [株式会社アジアコープ代表取締役]
【第2回】 2010年11月12日
著者・コラム紹介バックナンバー
1
nextpage

7月8日に検索アルゴリズムを大幅変更
影響を受けたショップが抗議運動も

 タオバオの「検索アルゴリズム」が注目されることは、これまで少なかった。筆者の知っている限り、タオバオは、そもそもECサイトであり、検索アルゴルズム自体は単純なルールで、グーグルの「被リンク」や「内部対策」のような概念が存在していないので、店舗としても「最適化」できる余地があまりないと思っていた。

 また、検索アルゴリズムが単純であるがゆえ、タオバオのサイト内検索は、ユーザビリティが高いとは言えない。実際、ユーザーが商品を探すときは、予め店舗側が登録している商品カテゴリーから探す「カテゴリー検索」を主体的に利用していると言われる。タオバオは、圧倒的な商品掲載数を誇っているので、どの店舗のどの商品を上位表示するかは重要なテーマのはずだが、店舗もユーザーも非常に制限された環境下で、「検索」と向かい合っていたと言える。筆者も利用していて、自分の求めている店舗や商品に行き届いているのか疑問に思っていた。

 一方、外部の検索エンジン対策という意味では、タオバオ自体も店舗も、重要視していないと思われる。中国EC市場におけるタオバオのシェアが圧倒的なため、インターネットで買い物をするユーザーは、まずタオバオにアクセスして検索する傾向が強いからだ。

 検索エンジン「百度」に至っては、タオバオに出店している優良な店舗でも、これまでもほとんど検索結果に出ないのが実態であった。今後は、百度が出資している楽酷天(中国楽天)がオープンしたこともあって、その傾向は更に強まるだろう。

 ところが、興味深い出来事が発生した。今年の7月8日に、タオバオが検索アルゴリズムを大幅に変更したのだ。その結果、数万店の店舗が大きな影響を受け、ある店舗ではトラフィックが90%ダウンしたと言う。杭州市のタオバオ本社前では、検索アルゴリズムを元に戻すよう求めた店舗運営者による300人規模のデモまで行われた。今回、検索アルゴリズムの影響が大きかったことを知り、筆者は改めてタオバオの検索アルゴリズムに興味を持った。

1
nextpage
スペシャル・インフォメーションPR
IT&ビジネス
関連記事
クチコミ・コメント
facebookもチェック

齋藤 勉 [株式会社アジアコープ代表取締役]

株式会社アジアコープ代表取締役。千葉県出身。03年より上海にて現地の日系広告会社の現地代表として勤務し、現地日本語フリーマガジン「コンシェルジュ上海」や複数の中国関連媒体の立上げに携わる。09年に帰国、株式会社アジアコープを設立し、主にECを活用した日本企業の中国進出支援業務を推進中。⇒執筆者へのメールはこちら 連載協力:上海TU(上海斉優商務諮詢有限公司

 


中国ECビジネスレポート 齋藤 勉

中国ECビジネスの最新情報をレポート。中国現地でECビジネスを実践する上で価値のある情報に主眼に置き、淘宝网(タオバオ)の運営ノウハウや最新トレンド、中国IT・ネット広告の動向、現地EC事業者へのインタビュー、成功事例等をお伝えします。※連載協力:上海TU

「中国ECビジネスレポート 齋藤 勉」

⇒バックナンバー一覧