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莫邦富の中国ビジネスおどろき新発見

駅弁ならぬ「港弁(みなとべん)」を開発した
愛媛県八幡浜市の熱い思いは中国人に届くか

莫 邦富 [作家・ジャーナリスト]
【第28回】 2010年11月18日
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 四国とは何か深い縁で結ばれているような気が最近はする。

 9月に観光関連の取材で高知県を訪れ、足摺岬や四万十川を歩き回った。そこで高知県が中国の安徽省と友好県省関係を結んでいることを知った。

 10月中旬、愛媛県宇和島市、八幡浜市を回って、中国経済関連の講演をした。

 11月上旬、高知県と友好県省関係を結んでいる安徽省を訪問した。

 11月13日、14日、八幡浜市を再訪し、中国人観光客の誘致について講演をした。

 さらに、12月のスケジュールには、香川県高松市での講演や観光関連の取材で愛媛県松山市を訪れる予定が入っている。今年の後半の数カ月は、「四国」が私の仕事・行動のキーワードになっているようだ。

 25年前、留学のため日本にやってきたばかりの私は来日早々、旅行に出かけた。行き先はほかならぬその四国だった。以前の訪日で瀬戸内海を知った私は、それ以来瀬戸内海の大ファンになり、その沿岸を自分の足で回ってみたいと思っていた。神戸で夜行のフェリーに乗り込み、一夜明けると目的地の四国の新居浜に着く。他の交通手段より安い運賃で行けるし、船中泊だから宿泊代も要らない。貧乏留学生にとっては理想的な移動手段だった。以降、機会を見て、今治や西条など瀬戸内海沿岸の町を相次いで訪ね、石鎚山を登ったり大三島にも上陸したりした。家族旅行で四国を一周したりもした。

 しかし、仕事的に見ると、四国とは縁はあまりなかった。これまで四国で講演をした回数は数えるほどだった。その意味では、四国との関係が急に緊密になったここ数カ月は、やはり尋常ではないといってもいいだろう。

 数年ぶりに再訪した宇和島、八幡浜の町は寂しく見えた。日が暮れると、商店街はしんとしている。煌々とともる照明が人通りの少なさをいっそう強調しているように感じた。昼間にこうした商店街を再度訪ねてみると、シャッターが下りたままの店舗が続く光景に目を覆いたくなる。駅前のホテルが閉鎖し、1泊3000円という値段表示が閉鎖前の苦戦ぶりを無言で伝えている。

 確かに日本のほかの地方でも見られる光景だ。別に珍しいものではない。しかし、八幡浜市ではやや他の地方と違う何かを感じた。

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莫邦富(モー・バンフ) [作家・ジャーナリスト]

1953年、上海市生まれ。85年に来日。『蛇頭』、『「中国全省を読む」事典』、翻訳書『ノーと言える中国』がベストセラーに。そのほかにも『日中はなぜわかり合えないのか』、『これは私が愛した日本なのか』、『新華僑』、『鯛と羊』など著書多数。


莫邦富の中国ビジネスおどろき新発見

地方都市の勃興、ものづくりの精度向上、環境や社会貢献への関心の高まり…中国は今大きく変わりつつある。先入観を引きずったままだと、日本企業はどんどん中国市場から脱落しかねない。色眼鏡を外し、中国ビジネスの変化に改めて目を凝らす必要がある。道案内人は日中を行き来する中国人作家・ジャーナリストの莫邦富氏。日本ではあまり報道されない「今は小さくとも大きな潮流となりうる」新発見を毎週お届けしよう。

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