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標準体重なのに2型糖尿病?
BMIが「1」増加しただけで

井手ゆきえ [医学ライター],-週刊ダイヤモンド編集部-
【第309回】

 肥満=2型糖尿病と思われがちだが、BMI(体格指数)22~25(標準~小太り)で高血糖の日本人は少なくない。

 先日、長野県松本市・相澤病院から「日本人男性は、わずかな体重増加で糖代謝が悪化し、2型糖尿病発症リスクが増加する」との報告があった。

 研究対象は、2005~10年に同院で健康診断を受け、「ブドウ糖負荷試験」を2回以上実施した地域の成人男女4234人。このうち、2083人の血糖値は正常範囲(正常群)だったが、残る2151人は糖尿病一歩手前の「糖尿病前症群」と診断されている。

 平均4.8年間の追跡期間中、正常群の35.8%が糖尿病前症もしくは2型糖尿病を発症している。その間のBMIの変化量は、わずか0.34だったにもかかわらず、である。正常血糖値を維持した群のBMI変化量は、さらに小さい0.02だった。

 一方、健診時に糖尿病前症だった群の17.6%は、運動や食事療法のかいあって正常血糖値に回復。これに必要としたBMIの変化量もわずかマイナス0.25だった。

 解析結果から、日本人男性はBMIがたった「1」増加しただけで、2型糖尿病の発症リスクが24%上昇し、血糖値が正常に回復する可能性は28%減少することが示されている。女性では、こうした関連は認められなかった。

 なぜ、日本人男性は「標準体重の糖尿病」になりやすいのか?

 順天堂大学の研究グループは、BMI25未満の日本人男性70人を、高血圧、高血糖、脂質異常症の3リスクを持たない群、いずれか一つを持つ群、二つ以上を持つ群に分け、BMIと骨格筋および肝臓での血糖消費との関連を調べた。

 その結果、日本人男性はリスクを一つ持っているだけで、BMI23~25未満でも骨格筋での糖消費が「肥満者(BMI25以上)」並みに低下することが示された。

 どうやら日本人男性は、人種的に骨格筋での糖消費が少なく、2型糖尿病を予防するには、高い強度の有酸素運動でこまめにカロリーを消費する必要があるらしい。

 折しも秋のスポーツシーズン。BMI22前後の貴方も走りだそう。

(取材・構成/医学ライター・井手ゆきえ)

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井手ゆきえ [医学ライター]

医学ライター。NPO法人日本医学ジャーナリスト協会正会員。証券、IT関連の業界紙編集記者を経て、なぜか医学、生命科学分野に魅せられ、ここを安住の地と定める。ナラティブ(物語)とサイエンスの融合をこころざし、2006年よりフリーランス。一般向けにネット媒体、週刊/月刊誌、そのほか医療者向け媒体にて執筆中。生命体の秩序だった静謐さにくらべ人間は埒もないと嘆息しつつ、ひまさえあれば、医学雑誌と時代小説に読み耽っている。

 

週刊ダイヤモンド編集部


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