ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
SPORTS セカンド・オピニオン

長谷川穂積が悲しみを乗り越え世界王座復帰に挑戦。
その姿はハングリーさを忘れた平成不況の日本に響くか

相沢光一 [スポーツライター]
【第130回】 2010年11月23日
著者・コラム紹介バックナンバー
1
nextpage

 筆者が今週、最も楽しみにしているスポーツイベントは長谷川穂積が挑戦する26日(金)のWBCフェザー級世界王座決定戦、対ファン・カルロス・ブルゴス(メキシコ)戦である。

 長谷川は観る者を魅了するボクサーだ。スピード、テクニックとも申し分ないが、決してきれいに勝とうとはせず、果敢に相手を倒しに行く。バンタム級時代は世界王座(WBC)を防衛すること10回。うち7回がTKO勝ちだったことがそれを示している。

 だが、常に減量苦がつきまとい、今年4月に行われた防衛戦でモンティエール(メキシコ)にTKO負けし王座から陥落した。そして今回、フェザー級にウエイトを上げ、王座復帰、2階級制覇に挑むのである。

 今回対戦するブルゴスは同級1位で25戦25勝無敗18KO。22歳の強打者だ。バンタム級で4年間に渡って世界の強豪をなぎ倒してきた29歳の日本が誇る名ボクサーと、日の出の勢いの22歳メキシコ人無敗ボクサーの対決。この構図だけでもワクワクさせるものがある。

 加えて今回の長谷川にはサイドストーリーがある。1カ月ほど前、長谷川は最愛の母を亡くした。母・裕美子さんはガンを患い、長谷川はその治療費を稼ぐために勝ち続けてきた。王座陥落の後、復活を期したのはその思いがあった。思いは果たせなかったが、悲しみを乗り越えて王座に挑むのだ。

一昔前なら世間の話題を独占して
いたであろう世界戦だが……

 これだけの条件が揃っていれば、ひと昔前なら今週の世間は長谷川の世界王座決定戦の話題で持ち切りになっていたはずだ。が、そんな空気は感じられない。

 そもそも今、日本人の世界王者が何人いるか知っている人は少ないだろう。現在、日本人世界チャンピオンはWBCスーパーバンタム級の西岡利晃、WBAスーパーフェザー級の内山高志、WBAフライ級の亀田大毅樹の3人(日本のジム所属世界王者にはもうひとり在日朝鮮人の李冽理がいる)だ。が、何かと話題になる亀田3兄弟の次男・大毅のことは知っていても、西岡や内山のことはボクシングファンでなければ知らないはずだ。

1
nextpage
関連記事
スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

DOL PREMIUM

PR
【デジタル変革の現場】

企業のデジタル変革
最先端レポート

先進企業が取り組むデジタル・トランスフォーメーションと、それを支えるITとは。

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR

話題の記事

相沢光一 [スポーツライター]

1956年埼玉県生まれ。野球、サッカーはもとより、マスコミに取り上げられる機会が少ないスポーツも地道に取材。そのためオリンピックイヤーは忙しくなる。著書にはアメリカンフットボールのチーム作りを描いた『勝利者』などがある。高校スポーツの競技別・県別ランキングをデータベース化したホームページも運営。 「高校スポーツウルトラランキング」


SPORTS セカンド・オピニオン

サッカーから野球、大相撲や陸上に至るまで、あらゆるスポーツニュースを独自の視点で解説!スポーツニュースの「セカンド・オピニオン」を目指します。

「SPORTS セカンド・オピニオン」

⇒バックナンバー一覧