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ハイブリッド車大量投入の陰で
見えてきたトヨタの全方位戦略

週刊ダイヤモンド編集部
2010年11月29日
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環境への規制が厳しい米カリフォルニア州。その南部ロサンゼルスで11月17日に開催されたモーターショーに合わせて、各社は相次いで次世代の環境対応車を発表している。なかでも、トヨタ自動車の戦略は、ハイブリッドのみならずほとんどの環境技術に対応したクルマを2015年までに投入するというものだ。

小型車「iQ」をベースにした電気自動車に充電器を差し込む内山田副社長。2012年までに投入される
Photo by AFP=時事

 「いくらトヨタといえどもあの怒濤のようなハイブリッド車の投入には驚いた」。ある大手自動車メーカー関係者はこう舌を巻く。

 2010年11月18日、トヨタは12年末までにハイブリッド車を11車種投入すると発表した。

 「トヨタがハイブリッド車を11車種投入」。今回の発表で他社を大きく引き離すことになるだけに、翌日の多くの新聞にはハイブリッド車についての見出しが躍った。事実、当面、ハイブリッド車でトヨタに追いつける自動車メーカーは世界を見回しても一つもない。

 しかし、ライバルが本当におののいたのは「ハイブリッド車以外」の部分にある。今回トヨタは同時に電気自動車(EV)、次世代電池、燃料電池車戦略の三つも発表した。そこからは規模を背景に、したたかに全方位に保険をかけるトヨタの次世代環境車の戦略が見えてくる。

 まずは、12年に発売すると発表したEVである。

 もともと、トヨタはEVが当面、拡大するとは考えていない。「今後10年はハイブリッドとプラグインハイブリッドが主流になる」(小吹信三専務取締役)としている。

 むしろトヨタ幹部からは短い航続距離などEVのネガティブな部分を指摘する声が多く聞かれる。

 「けなしているわけではないが、現状で課題が多いことは事実。日産はそれをのみ込んでまで発売するのだろうが、トヨタにはできない」(トヨタ幹部)

 だが、12年にはカリフォルニア州で、大手自動車メーカーはEV、もしくは燃料電池車を販売する義務を負うというZEV規制が始まる。座視するわけにはいかない。

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