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原英次郎の「強い中堅企業はここが違う!」 トップに聞く逆境の経営道

たった1坪、2品で、年商3億!
“幻の羊羹”を求めて、
40年以上早朝から行列がとぎれない奇跡の店。
78歳社長がはじめて明かす
吉祥寺「小ざさ」味と仕事【前編】

原 英次郎 [週刊ダイヤモンド論説委員]
【第23回】 2010年12月7日
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 JR中央線・吉祥寺駅北口から徒歩2分。「ダイヤ街」と呼ばれる商店街に、小さな小さな和菓子店、「小(お)ざさ」がある。店舗面積はわずか1坪にすぎないが、年商は3億円超。一般の菓子製造小売業の年間坪当たり販売額が約231万円(2007年)なので、おそらく坪当たり売上高は日本一だろう。

 しかも、売っている商品は「羊羹(ようかん)」と「もなか」の2品だけ。羊羹は1日150本限定(1本580円)で、“幻の羊羹”ともいわれている。早朝4時、5時頃から、羊羹を買うために必要な番号札を求めて行列がとぎれない。この行列は40年以上続いているから驚きだ。1個54円のもなかも、年末には1日4万個、年間通しても1日平均1万個売れ続けているという。

お店の前には、早朝から「幻の羊羹”を求めて」列ができる

 小ざさの創業は1951年。小さな屋台の団子販売から始まった。屋台には1日12時間、365日休みなく、たった1人で店に立ち、その後、創業者である父・伊神照男氏の薫陶を受けて、羊羹づくりに人生を懸けてきたのが、稲垣篤子社長である。12月3日には、78歳にして初めての本、『1坪の奇跡―40年以上行列がとぎれない 吉祥寺「小ざさ」味と仕事―』(ダイヤモンド社刊)が刊行された。

 それにしても、これだけの人気があれば、生産量を増やし、多店舗展開して、商いを大きくしようとは考えなかったのだろうか。

稲垣社長:店を大きくしますと、目が行き届かなくなりますね。昔の人はよく「身の丈の仕事」と言っていましたが、商売を大きくして大雑把になるよりも、いまやっている自分の仕事をきっちりと、ということでございます。

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原 英次郎 [週刊ダイヤモンド論説委員]

1956年生まれ、佐賀県出身。慶應義塾大学経済学部卒。
1981年東洋経済新報社に入社。金融、証券、エレクトロニクスなどを担当。
1995年『月刊金融ビジネス』、2003年4月『東洋経済オンライン』、
2004年4月『会社四季報』、2005年4月『週刊東洋経済』の各編集長などを経て、2006年同社を退社。
2010年3月ダイヤモンド・オンライン客員論説委員、2011年10月編集長、2015年1月より現職。
主な著書に『銀行が変わる?!』(こう書房)、『素人のための決算書読解術』(東洋経済新報社)。

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