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ポスト検索時代にグーグルはどこへ向かうか

瀧口範子 [ジャーナリスト]
【第408回】 2016年10月7日
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グーグルが一挙に発表したハードウェアの新製品群。左からストリーミング再生用のアダプタ、グーグル・ホーム、スマートフォン、VRヘッドセット (https://madeby.google.com/ より)

グーグルのAIの強みは
コンテキスト理解力

 米時間10月4日、グーグルは新型スマートフォン、家庭用AI機器、VR用ヘッドセット、Wi-Fiルーターなど、数々の新製品と新サービスを一気に発表した。

 一部はすでに発表されたり予測されたりしたことなので、グーグルが歩むロードマップとして特に意外な点はない。だが、これらのハードウェア製品は、グーグルの次の時代を感じさせるもので、ことにグーグルCEOのスンダー・ピチャイ氏が「モバイル世界からAI世界へ移行する」と述べたように、グーグルがAIにおける自社の強みをユーザーの生活の随所に配置していく計画であることが明らかになった。

 今回の発表会で目立ったことのひとつは、グーグルが披露したAIグーグル・アシスタント「OK、グーグル」機能の「コンテキスト理解力」だ。グーグル・アシスタントは、ユーザーの要望を音声で理解し、タスクを行って音声や画面上で回答を返す機能だ。

 たとえば、スマートフォンに向かって「昨年10月に撮った写真を引き出してくれ」と伝えると、そこに写っていたコンサート・ホールで演奏するミュージシャンの楽曲をユーチューブ上でプレイし、そのコンサートのチケットを予約したり、その前に近くのレストランで食事をする予約を入れたりすることが、ちょっとした指示でひとつながりにできる。ひとつひとつをゼロからやり直さなくても、ユーザーが何をしようとしているのかをAIが予測して、かなりの手間を省いてくれるのだ。

 デモのようにコンテキストを完全に理解して、違った機能をスムーズに立ち上げたり情報を提供したりできるのかは、実際に使ってみないとわからない。しかし、アップルのシリやアマゾンのアレクサなど、現在一般ユーザーが接しているどのAIと比較しても、かなり野心的な目標であることは違いない。

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瀧口範子 [ジャーナリスト]

シリコンバレー在住。著書に『行動主義: レム・コールハース ドキュメント』『にほんの建築家: 伊東豊雄観察記』(共にTOTO出版)。7月に『なぜシリコンバレーではゴミを分別しないのか?世界一IQが高い町の「壁なし」思考習慣』(プレジデント)を刊行。


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