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金融市場異論百出

ユーロに加盟しなくて正解
英国から見るドイツの苦悩

加藤 出 [東短リサーチ取締役]
2010年12月13日
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 2013年9月29日、再選されたメルケル独首相はベルリンのブランデンブルク門前で演説を行った。支持者たちは「ドイツを救った女」とメルケルを呼んだ。彼女がポケットから新しい100ドイツ・マルク紙幣を取り出すと、ドイツ国民は大歓声でそれに応えた。「誰もがそのメッセージを理解した。ユーロの悪夢は終わった」。

 これは英「インディペンデント」紙が11月29日に掲載した近未来小説風シミュレーションである。同記事では、フィンランド、オーストリア、オランダ等もドイツに続きユーロから離脱する。一方、ユーロに残ったフランスのサルコジ大統領は12年5月の最後の記者会見で、疲れ果てたように「ドイツよ、これ以上私を虐待しないでくれ」と語った。彼は大統領選挙に出馬したストラス・カーンIMF専務理事に敗北していた。

 欧州大陸の統合の動きに、英国はもともと冷ややかである。英「デイリーエクスプレス」紙は11月25日に、EUから英国は脱退しろという過激な提言を1面トップに掲載した。英「フィナンシャルタイムズ」紙も2日間にわたって、EUが域内の経済弱小国に対して、非効率な補助金を支出していることを糾弾した。そういった考え方は、ブリュッセルのEU官僚が英国の税金をムダづかいしているという不信感から生じている。

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加藤 出 [東短リサーチ取締役]

東短リサーチ取締役チーフエコノミスト。1988年4月東京短資(株)入社。金融先物、CD、CP、コールなど短期市場のブローカーとエコノミストを 2001年まで兼務。2002年2月より現職。 2002年に米国ニューヨークの大和総研アメリカ、ライトソンICAP(Fedウォッチ・シンクタンク)にて客員研究員。マネーマーケットの現場の視点から各国の金融政策を分析している。2007~2008年度、東京理科大学経営学部非常勤講師。2009年度中央大学商学部兼任講師。著書に「日銀は死んだのか?」(日本経済新聞社、2001年)、「新東京マネーマーケット」(有斐閣、共著、2002年)、「メジャーリーグとだだちゃ豆で読み解く金融市場」(ダイヤモンド社、2004年)、「バーナンキのFRB」(ダイヤモンド社、共著、2006年)。


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