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経済分析の哲人が斬る!市場トピックの深層

女性の労働参加率向上は未婚化と性別格差のせい?
労働市場と少子化を結びつける「M字」のマジック
――森田京平・バークレイズ・キャピタル証券 ディレクター/チーフエコノミスト

森田京平 [バークレイズ証券 チーフエコノミスト],熊野英生 [第一生命経済研究所経済調査部首席エコノミスト],島本幸治 [BNPパリバ証券東京支店投資調査本部長/チーフストラテジスト],高田 創 [みずほ総合研究所 常務執行役員調査本部長/チーフエコノミスト]
【第5回】 2010年12月22日
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 日本や韓国では、女性の労働力率(労働参加率)を年齢別に描くと、その形は「M字」となる。人口減少に直面して、日本では女性の労働参加を促し、「M字」の落ち込みを浅くすることの重要性が度々語られてきた。

 そして、今まさに「M字」の落ち込み部分が押し上がりつつある。はたしてこれを素直に喜んでよいのだろうか。

 実はそこには、日本経済が直面する2つの政策課題が反映されている。具体的には「未婚化の進行」と「労働市場における性別格差」だ。

労働市場から撤退する若い女性たち
韓国に次ぐ日本の「M字」の深さ

 日本については、女性の労働力率〔15歳以上人口に占める就業者(仕事をしている者)と失業者(就業していないが働く意欲があり実際に求職活動をした者)の割合〕を年齢別に描くと、その形が「M字」となることが良く知られている。20歳代後半から30歳代後半にかけて、女性が労働市場から撤退を余儀なくされる傾向が強いことの投影だ。

 M字となる主な理由としては「出産・育児のための離職」が挙げられる。あるいは「親の介護のための離職」も理由となることがある。しかし、年齢別に見たときに女性の労働力率が「M字」となる国はむしろ少数派だ。主要国では、日本と韓国ぐらいである(図表1参照)。

「M字」の落ち込み部分が
上昇し始めたことを喜ぶべきか?

 日本では、女性の労働参加を積極的にサポートし、「M字」の落ち込み部分を押し上げることの重要性が再三語られてきた。すでに日本の生産年齢人口比率(総人口に占める15-64歳人口の割合)の急落が始まっており、2010年にはG7諸国の中で最低になると予測されている(国連による予測)。

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森田京平 [バークレイズ証券 チーフエコノミスト]

もりた・きょうへい/1994年九州大学卒業、野村総研入社。98年~2000年米ブラウン大学大学院に留学し、経済学修士号を取得。その後、英国野村総研ヨーロッパ、野村證券金融経済研究所経済調査部を経て、08年バークレイズ・キャピタル証券入社。日本経済および金融・財政政策の分析・予測を担当。共著に『人口減少時代の資産形成』(東洋経済新報社)など。2010年7月より、参議院予算委員会内に設置された「財政再建に向けた中長期展望に関する研究会」の委員を務めている。

 

熊野英生 [第一生命経済研究所経済調査部首席エコノミスト]

くまの・ひでお/第一生命経済研究所経済調査部首席エコノミスト。 山口県出身。1990年横浜国立大学経済学部卒。90年日本銀行入行。2000年より第一生命経済研究所に勤務。主な著書に『バブルは別の顔をしてやってくる』(日本経済新聞出版社)など。

島本幸治 [BNPパリバ証券東京支店投資調査本部長/チーフストラテジスト]

しまもと・こうじ/1990年、東京大学卒業、日本興業銀行入社。調査部門で金利分析や経済予測を担当。2000年からBNPパリバ証券で投資調査本部長兼チーフストラテジストとして金融市場予測を担う。日本経済新聞社の債券アナリスト・エコノミスト人気調査の債券部門では06、08年に1位。金融庁の金融市場戦略チームや金融税制研究会、行政刷新会議の事業仕分けなどに参加。

高田創 [みずほ総合研究所 常務執行役員調査本部長/チーフエコノミスト]

たかた はじめ/1958年生まれ。82年3月東京大学経済学部卒業、同年4月日本興業銀行入行、86年オックスフォード大学修士課程修了(開発経済学)、93年審査部、97年興銀証券投資戦略部、2000年みずほ証券市場営業グループ投資戦略部長、06年市場調査本部統括部長、チーフストラテジスト、08年グローバル・リサーチ本部金融市場調査部長、チーフストラテジスト、11年より現職。『銀行の戦略転換』『国債暴落』『金融市場の勝者』『金融社会主義』など著書も多い。


経済分析の哲人が斬る!市場トピックの深層

リーマンショック後の大不況から立ち直りつつあった日本経済の行く手には、再び暗雲が立ち込めている。留まることを知らない円高やデフレによる「景気腰折れ不安」など、市場に溢れるトピックには、悲観的なものが多い。しかし、そんなときだからこそ、政府や企業は、巷に溢れる情報の裏側にある「真実」を知り、戦略を立てていくことが必要だ。経済分析の第一人者である熊野英生、高田創、森田京平(50音順)の4人が、独自の視点から市場トピックの深層を斬る。

「経済分析の哲人が斬る!市場トピックの深層」

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